絶好調「ノースフェイス」立役者が挑む意外な難題 改めて問われる「ゴールドウインらしさ」とは?

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ノースフェイスとゴールドウィンのロゴ
ゴールドウインの代表的なブランドである「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」(左)と「ゴールドウイン」(右)(写真:尾形文繁)
企業を取り巻く環境が激変する中、経営の大きなよりどころとなるのが、その企業の個性や独自性といった、いわゆる「らしさ」です。ただ、その企業の「らしさ」は感覚的に養われていることが多く、実は社員でも言葉にして説明するのが難しいケースがあります。
いったい「らしさ」とは何なのか、それをどうやって担保しているのか。ブランドビジネスに精通するジャーナリストの川島蓉子さんが迫る連載の第5回は、老舗スポーツメーカーで、近年は「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」が絶好調なゴールドウインに迫ります。
著者フォローをすると、川島さんの新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます。
この記事の画像を見る(9枚)

過去最高の売り上げとなったゴールドウイン

街を歩いていると「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」を身に着けている人を頻繁に目にする。バックパックやパーカやTシャツなどに付されたロゴが目につくし、若い層に限らず子どもから年配層まで幅広い支持を得ている。

この連載の記事はこちらから

ゴールドウインの2022年3月期の売上高982億円、経常利益202億円と、ともに過去最高の数字を上げていることがそれを示してもいる。

ここ数年、アパレル業界の勢いは決してよくはないが、アウトドアウェアやスポーツウェアは好調に推移している。キャンプやアスレチック、ジョギングなどをする人が増えているという事実もあるが、それが日常着として定着していることも大きい。伸縮性や通気性など機能面ですぐれているし、価格がリーズナブルなことも裾野を広げている。コロナ禍によって仕事着がカジュアル化したことも追い風になっている。

ザ・ノース・フェイスが人気なのは妥当と思う一方で、これだけ大衆化してくると、「らしさ」が薄まってしまわないかという懸念がわく。また、「ザ・ノース・フェイス」のブランドイメージには確固たるものがあるが、「ゴールドウイン」というと強いイメージがわいてはこない。

それをどうとらえ、これからどうしていこうとしているのか。ザ・ノース・フェイスをここまで育て上げた社長の渡辺貴生さんに聞いてみた。

次ページ新しい取り組みに次々と挑戦
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事