コロナ禍で業績は低迷、ポーラはどこへ向かう?
ポーラは日本の老舗化粧品メーカーの1つであり、エイジングケアブランドの「B.A」をはじめ、シワを改善するコスメとしてロングセラーになっている「リンクルショット」シリーズなどを展開している。
2020年にポーラ初の女性社長となった及川美紀さんとは以前からご縁を得てきたが、誰に対しても平易で開放的、ユーモアのセンスを備えている。バリバリのキャリアウーマン的なアツを感じるところがなく、社員や社会のことを深く温かくとらえている。チャーミングなキャラクターにひかれてきた。
一方、コロナ禍の影響もあり、業績は決してよくはない。ポーラ・オルビスホールディングスにおける、ポーラブランドの2021年12月期営業利益は163億円と、直近のピークである2018年12月期の325億円から半減。足元の2022年1~9月期の営業利益も85億円と前年同期比で22%減となった。マスクの常用によってメイクする行為が少なくなっているし、インバウンド需要の減少など、負の要因がのしかかっている。
そんな中にあって及川さんは、どこに力点を置いて会社を率いているのか。歴史あるポーラという企業のDNAを、未来に向けてどう開かせようとしているのか。女性の活躍についてどうとらえているのかなど、普段から聞きたかったことを話してもらった。
その前に、そもそもポーラはどういう会社なのか。
1929年、化学者でもあった創業者が、手が荒れている妻のためにと、独学でハンドクリームを作ったことが創業のきっかけだ。多くの人にそれを使ってもらおうと、1931年に「ポーラ化粧品本舗」が誕生した。商売ありきでなく、人が人に愛情を手向けるところに事業の起点がある――“ポーラらしさ”のルーツでもある。
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