阪急百貨店の驚く新展開「常識破る売り場」の正体 アウトドアとラグジュアリーのブランドが共存

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阪急うめだ本店
阪急阪神百貨店の旗艦店である「阪急うめだ本店」(写真:ヒラオカスタジオ)
企業を取り巻く環境が激変する中、経営の大きなよりどころとなるのが、その企業の個性や独自性といった、いわゆる「らしさ」です。ただ、その企業の「らしさ」は感覚的に養われていることが多く、実は社員でも言葉にして説明するのが難しいケースがあります。
いったい「らしさ」とは何なのか、それをどうやって担保しているのか。ブランドビジネスに精通するジャーナリストの川島蓉子さんが迫る連載の第7回は「阪急阪神百貨店」に迫ります。
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ターミナルデパートの先駆者である阪急百貨店

阪急百貨店は1929年、大阪・梅田で創業した日本の老舗百貨店だ。旗艦店である「阪急うめだ本店」は「伊勢丹新宿本店」に次いで、単店ベースで全国2位を誇り、業界では「東の伊勢丹、西の阪急」と名を馳せる。

創業者は関西財界の雄、小林一三。阪急電鉄の梅田駅と直結した、いわゆるターミナルデパートとして阪急百貨店を開業した。駅と直結した百貨店やファッションビルは、今やすっかりポピュラーな存在だが、そのルーツと言えるのが阪急百貨店なのだ。

また小林は、阪急電鉄沿線の住宅開発を進める一方、劇場や球団などを興し、文化や娯楽に関連する事業を成功させた。その意味では、鉄道の沿線開発を行うビジネスモデルを作った元祖でもある。

2007年、阪急百貨店は阪神百貨店と経営統合し、「エイチ・ツー・オー リテイリング」と名を改めた。阪急阪神百貨店はその傘下にある。

百貨店業界は、厳しい状況が続いている。都内でも平日の日中は、お客がまばらで販売員の立ち姿が目につく。地方をはじめ都市部でも、百貨店が閉店する例は後をたたない。

最近では、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武が、アメリカの投資ファンドであるフォートレス・インベストメント・グループに売却されることが決まった。若い人と話していると「百貨店に行ったことがない」「ウリが何なのかがわからない」という声を聞くこともある。

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