広告宣伝ゼロでも「SHIRO」が圧倒的支持得るなぜ OEMを経験したからこそ突き詰めたい"本質"

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東京・表参道にあるSHIROの旗艦店(撮影:尾形文繁)
企業を取り巻く環境が激変する中、経営の大きなよりどころとなるのが、その企業の個性や独自性といった、いわゆる「らしさ」です。ただ、その企業の「らしさ」は感覚的に養われていることが多く、社員でも言葉にして説明するのが難しいケースがあります。
いったい「らしさ」とは何なのか、それをどうやって担保しているのか。ブランドビジネスに精通するジャーナリストの川島蓉子さんが迫る連載、第21回は、「SHIRO」を取り上げます。

原料そのものから突き詰める

街を歩いているとSHIROのショップに目が留まる。すっきりしたシンプルなインテリア、美しい佇まいで並んでいるコスメの数々、さりげなく、しかし明確に記されているロゴなど、遠目からでもSHIROとわかる。

しかも、ショップのロケーションはどこも一等地であり、多くのお客で賑わっている。激戦区と言えるコスメ市場において、ブランドを確立した理由はどこにあるのか。

SHIROを手がけるシロのオフィスは、表参道交差点近くのビルの上階にある。エレベーターホールを抜けると広々とした空間が――大きな窓から光が降り注ぎ、SHIROの品々が整然と並んでいる。個性的なスーツに身を包んで現れた社長の福永敬弘さんとの話はいきなり化粧品業界の裏側から始まった。

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