ラーメン店を巡っていると、店主たちが何より大切にしているものが見えてくる。それは日々の売り上げや行列だけではない。カウンター越しに交わされる、ほんの一言の言葉。食べ終わったあとにぽつりとこぼれる感想や、何気ない仕草が、作り手の心を何年も支え続けることがある。
SNSではラーメン店と客のトラブルや炎上が話題になることも多い。しかし実際の店には、もっと静かで温かなやり取りがある。どんぶり一杯を通して生まれる、人と人とのつながり。今回もラーメン店主たちに「食べ終わったお客さんから言われて嬉しかった言葉」を聞いた。そこには、思わず胸が温かくなる物語があった。
「麺が残念」SNSの声に悩んでいたある日…
まず紹介したいのは、東京・大田区にある濃厚なつけ麺で人気を集める「つけ麺 燕武」。店主の原彰宏さんは、羽釜を使って炊いた濃厚なスープと存在感のある自家製麺で多くのファンを魅了している。
しかし、オープン当初は決して順風満帆ではなかった。開業1年目、SNSにはこんな声が書き込まれていたという。
「スープは美味しいけど麺が残念」
「麺が好みじゃなかった」
つけ麺は麺の存在感が非常に大きい一杯だ。それだけに、麺への評価は店主にとって重くのしかかった。麺を変えるべきなのか、今の方向性でいいのか。原さんは悩み続けていた。





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら