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――ライトオンや三菱商事ファッションをグループ傘下に入れました。2社は自社製造ではないアパレル企業で、ワールドと異なります。グループとして何を目指しているのか、全体像を教えてください。
この何年かは「ファッションエコシステム」という呼び方で戦略を進めている。もともとは物販のみだが、商品の企画から生産、販売、お客様が捨てるところまで、アパレルのバリューチェーンをすべてカバーしていくというのが基本的な考え方だ。
なぜそうするのか。当社の創業は卸売りで、卸の商流は専門店に卸して終わりだ。作り手と売り手が分かれていて、その間にはマージン(利幅)が発生していたり、機会ロスで商品が売れ残ったりしている。各工程の間に人が入れば入るほどロスが生まれる。
すべてのロスが悪いわけではないが、自分たちで一通りやることで、どこに無駄や課題があるかも見えるようになった。最近で言えば「販売した先のリユースにも価値がある」といった考え方もそうだ。ロスを価値に変えていく考え方の延長線上で動いている。
あらゆるブランドが同じことをしていた
――ワールドは自社のサプライチェーンを一気通貫化してきましたが、どのように戦略が変化してきたのでしょうか。
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