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婦人服の「アンタイトル」や「インディヴィ」、メンズ向け「タケオキクチ」など、有名ブランドを展開するアパレル大手のワールドが、大胆な攻めの手を打ち出している。
今年2月28日には三菱商事からアパレル商社の三菱商事ファッション(現エムシーファッション)を93億円で買収。1月には日本政策投資銀行と共同し、ジーンズ専門店を手がけるライトオンを、TOB(株式公開買い付け)を経てグループ傘下に迎えている。
エムシーファッションはOEMでアパレル・雑貨・靴などの商品を供給する、工場を持たないファブレスメーカー。近年の業績は縮小傾向が続いている。ライトオンはさらに厳しく、6期連続の最終赤字、債務超過寸前だった。ジーンズカジュアルも現在のトレンドとは異なる。
業界関係者からは「ワールドは商社のような業界のプラットフォーマーになるのか」「ジーンズカジュアルはそうとう厳しい。ライトオンをどうするのか、狙いがわからない」など、戦略に困惑する声も聞かれる。名門・ワールドにはどんな勝算があるのか。
戦略子会社で再生を後押し
カギになるのは、ワールドのノウハウを凝縮した戦略子会社の存在だ。
「資金を注入するだけでは企業やブランドは再生しない。顧客の目から見て商品や店舗がよくなっていく必要がある」。こう話すのは、ワールドプラットフォームサービス(WPS)の西川信一社長だ。
西川氏はグループのプラットフォーム事業(生産から販売、デジタルなど、グループで培ってきたノウハウを内外へ提供する)を束ねる立場で、エムシーファッションの会長も務めている。

WPSはワールドが自社のアパレル・雑貨ブランドを企画運営してきたノウハウや、商品の製造、売り場の設計、ECサイトの構築、バックオフィスの経費削減まで仕組み化して、外部顧客にサービスを提供している。
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