「商品数を3分の1に減らした」銀座伊東屋のその後 「楽しめる文房具屋」のためにやってきたこと

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伊東屋
銀座の老舗文房具屋、伊東屋の本店は、この赤いクリップマークが目印だ(撮影:今井 康一)
企業を取り巻く環境が激変する中、経営の大きなよりどころとなるのが、その企業の個性や独自性といった、いわゆる「らしさ」です。ただ、その企業の「らしさ」は感覚的に養われていることが多く、社員でも言葉にして説明するのが難しいことも。
いったい「らしさ」とは何なのか、にブランドビジネスに精通するジャーナリストの川島蓉子さんが迫る本連載。今回は銀座の老舗文房具店である伊東屋が「らしさ」を追求するために行った大改革を紹介します。

創業120周年を迎える銀座の老舗

東京・銀座4丁目の交差点から、中央通りを京橋方面に向かうと、右手に赤い大きなクリップが見えてくる。創業120周年を迎えた銀座伊東屋の入り口だ。いつ通りかかっても、売り場は多くの人で賑わい、楽しそうな空気が漂っている。そのありようが気になり、社長の話を聞いてみたいと思っていた。

1階奥にあるエレベーターで10階へ。扉が開くと、天井高のある広々とした空間が拓ける。大きな窓から光が降り注ぎ、モダンなテーブルや椅子が配されている。ここは「HandShake Lounge(ハンドシェイク・ラウンジ)」と名づけられたスペースで、企業や個人がミーティングやイベントでレンタルできるスペースだ。こういう場で行うミーティングなら、リラックスした気持ちになり、発想が広がりそうと想像が広がった。

現れた伊藤明社長は、「何を聞いていただいても大丈夫です」ときっぱり。シャープな語り口ながら、笑顔で語ってくれた話から、伊東屋や社員を愛し、仕事を楽しんでいる姿勢が伝わってきた。

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