猛暑の救世主なるか。ペルチェ素子で水を冷却・循環、上半身全体を冷やすウェア「ChillerX」が登場

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ChillerX
冷却ウェア「ChillerX」(筆者撮影)
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真夏の屋外作業で「もう無理」と思った経験はないだろうか。Shiftall(シフトール)が2025年8月上旬に発売する冷却ウェア「ChillerX(チラーエックス)」は、ペルチェ素子で冷やした水を電動ポンプでベスト全体に循環させる新方式を採用した。環境温度から最大35度も温度を下げられる50Wの高出力ながら、3万9900円(税込)という価格を実現している。6月30日に行われたメディア向け発表会では、気温35度をシミュレートできる簡易サウナルームでの実証も行われた。

発表会では実機に触れる機会を得た。室温28度の会場で動作させたChillerXの冷却パッドは13度前後まで下がっており、触ると「ヒヤッ」とする冷たさだった。会場の屋上に設置された簡易サウナルームでは、より過酷な環境での実証も行われた。外気温32度の中で44.2度まで上がったサウナ内でChillerXを装着すると、首筋から肩、脇の下まで広い範囲が強力に冷却され、顔以外は暑さを感じず、まるで27度の室内にいるかのような体感になった。

サウナ
筆者も体験。44度のサウナの中でも暑さを感じず過ごせた(シフトールのスタッフによる撮影)

従来の冷却ウェアには大きく2つの方式があった。氷で冷やした水を循環させる方式は、時間とともにぬるくなってしまう。ペルチェ素子を直接肌に当てる方式は、冷却できる面積が狭い。ChillerXはこれらの課題を解決する「ペルチェチラー方式」を採用している。

電流で冷やすペルチェ素子を水冷システムに応用

そもそもペルチェ素子とは何か。これは電流を流すと片面が冷たくなり、反対面が熱くなる半導体素子だ。小型冷蔵庫やワインセラーなどにも使われている技術で、コンプレッサーのような機械部品が不要なため、静音で振動もない。電流の量を調整すれば冷却能力も変えられる。

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