TOEICで終わっちゃダメよ~ダメダメ 日本の教育を変えるキーマン 千田潤一(4)

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 こんにちは、安河内哲也です。英語教育の専門家にお話を伺う本連載。今回、インタビューさせていただいた英語トレーニング法指導者の千田潤一先生は、長きにわたってTOEICの普及に尽力されてきました。しかし、せっかくスピーキングとライティング試験があるにもかかわらず、リスニングとリーディング技能を測定する部分だけが偏重され、990点満点を何回も獲得することが究極の目標のようになっている現状には疑問を呈しています。これからの日本の英語教育は、どこを目指せばいいのか? そしてTOEICとはどう付き合っていくのがベストなのか? 今回で本連載は最終回となります。ぜひ最後まで読んでくださいね。
(1)「英語は『覚えるまで音読する』」はこちら。
(2)「TOEIC満点を目指すだけの人はダメ」はこちら。
(3)「TOEICだけでは英語は話せない!?」はこちら。
いよいよ最終回です!

TOEICで正確に測れるスコアは400~700点

安河内どんなテストでもそうだと思うのですが、点数が半分を下回ったあたりからは、点数が低くなるほど、評価の信頼性はかなり下がってくるものです。

千田ETSの人から聞いた話なのですが、TOEICテストでいちばん正確に計れるのは400~700点の間なのだそうです。ここはまっすぐに光が通ると言うんですね。

ところがレンズと同じように、下の部分に行けば行くほど曲がってしまう。同じように上の部分も曲がってしまう。だから、上と下の部分は、レベルに合った別テストを作らなければ歪曲せずに真っすぐに、正しく力を推し量ることはできない。上を正しく計るのがSW、下を正しく計るのがBridgeというわけです。

安河内私は上に振り切れた人というのは、もうテストは必要ないと思うんですね。それより実践で英語を使っていけばいい。テスト勉強は終わりにして、英語を実際に使っていくべきなのです。

ただ、スコアがまだまだな人たちには、努力目標と評価基準がどうしても必要になってくる。でも、努力目標があまりにも高いとモチベーションの喪失につながってしまう。そこで、Bridgeレベルのテストが重要になるのです。

今度は、TOEIC Bridgeの普及を妨げている原因を考えてみましょう。これもやっぱり名称がよくない。TOEICとTOEIC Bridgeという2つのテストがあれば、どの企業もやはりプライドがありますし、難しいほうを選びますよね。特に同業のライバル社がTOEICやっているのに、自社はBridgeとなればメンツにもかかわります。

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