グリー田中社長、「狙うことで波に乗った」 創業10年、過去・現在・未来を語る(1)
山田:グリーは会社設立から10年です。
田中:そうですね。12月7日で10周年になります。
山田:今回、10年の振り返りと、ここ最近の2~3年の反省も伺いつつ、今後の10年の展望を伺いたいと思います。
振り返ってみてターニングポイントというか、「ここで、こう決断したから今がある」という重要な決断は何でしょうか。
田中:まず1つ目は、そもそも会社をつくったことです。今でこそソーシャルメディアとかモバイルゲームっていえば、当たり前の世界ですけど、その当時は、そもそもそういうコミュニティサイトは、おカネにならないものだっていう見方が多かったんですよね。そういった中で「これで会社をつくろう」と思ったこと自体、大きなターニングポイントだと思います。
山田:翌2005年には、もうベンチャーキャピタルから資金調達していますね。
田中:そうです。そこまでがある意味、第1章の中での大きな決断だったと思います。でも、会社をつくってみたのはいいんですが、僕も楽天でしか働いたことがなかったから、ベンチャーってつくったら、うまくいくものなのかなっていう、フワッとした感じで始めたんですよね。
山田:楽天の前にはソニーコミュニケーションネットワークにいましたよね。
人も入ってこないし、事業も伸びない
田中:そのあと楽天に行って、そしてそのあとに会社をつくりました。楽天しかっていうのは、創業オーナーがいるベンチャーとしては楽天しか見てなかった、という意味です。だから会社というものは、つくれば成功するものなのかなって、フワッと思っていたんです。でも、そんなわけがないということを、始めて1カ月、2カ月するとわかるわけです。人も入ってこないし、事業も伸びないし。
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