グリー田中社長、「狙うことで波に乗った」 創業10年、過去・現在・未来を語る(1)

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山田:2003年のKDDI(au)の定額サービスが衝撃的でしたね。他社も追随し、価格も安くなっていた。

田中:そうです。定額サービスが普及をし始めて、すごくモバイルのページビューが伸びていった。そういう時代でした。

山田:auはすごかったですよね。データ定額なんて無理、回線がパンクする、とライバル他社は言っていた。そこを思い切って定額で乗り込んでいきました。

田中:まさに定額化し、そして高速化、という形でどんどんモバイルが便利になっている時代でした。このときに思ったのが、固定のインターネットだってADSL(メタル回線を使った高速の常時接続サービス)になってから爆発的に伸びていった、ということです。ADSLから、それまでのダイヤルアップ接続の従量課金とは、まったく別世界になったわけですよね。振り返れば、定額制になるまではインターネットは始まらなかったな、ということを思い出しながら、今こそモバイルサービスを始めようと決断したんです。

みんなが面白いと思う前につくることが重要

山田:固定でいえばダイヤルアップ接続全盛期、携帯でいえばiモード全盛期って、そこで1度、成熟したようにみえる。もう終わってしまう業界のようにも見られる。1回、成熟した姿をみてしまうと、次に、また爆発的に大きくなるという感覚が、なかなか持てないですよね。

田中:これから伸びると思って、その頃にモバイルサービスを始めたからこそ、まさに今のようなモバイル版のグリーがあるわけです。ポイントは、他社よりも早く始めることができたということです。最初もそうですが、「PCのSNSって面白いかも」とみんなが思い始める1年、2年前からつくり始めているからこそ、その波に乗れるわけですよね。

やっぱり始めた頃っていうのは、まさにPCのSNSを始めた頃もそうでしたけど、「そんなの、やる意味あるの?」って言われました。でもそういう時代に、あえて狙ってやらなければ、波って捉えられないんだと思います。

そこから学ぶこととしては、他の人が「ちょっとそれ、どうなのかな?」と思うことにチャレンジしていかないと、大きな成長は取れない。みんなと同じように動いていたら波には乗れないんですよ。

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