ドワンゴ川上会長、「炎上は放置、謝らない」

「ネットが生んだ文化」、コピー、炎上、嫌儲

 全15巻におよぶ「角川インターネット講座」シリーズ(角川学芸出版)。その第4巻で10月に配本が始まった『ネットが生んだ文化(カルチャー)』を監修したのが、ドワンゴ会長の川上量生氏だ。ネット文化の本質とは何なのか。川上氏に聞いた。今回はその後編。

 

前編はこちら→ ドワンゴ川上会長、「非リアは脳の問題です」

 山田: 「非リア」に続いて、「コピー」について伺います。ネットの時代になってIP(知的財産)の考え方は変わっていくのでしょうか。

川上: これは単純なモデルで考えたほうがいいと思っています。まずコンテンツの可能性の数が有限か無限か。僕は基本的には有限だと思っています。世の中の人間が作るものというのは、有限のパターンしかない。そうすると、先に生きていたほうが有利です。基本、早いもの勝ちです。そうなると、人間が作ったアイデアというものには賞味期限があるべきだというふうに思っているのです。

コピーの制限が、創作の場を窮屈にしている

もうひとつは、コピーすることに関して言うと、人間のアイデアって文明が発達していけばいくほど、1人だけではできなくなっていく。ほかの人のアイデアも利用しないと個人が活躍できないわけです。1人だけではモノを作れないので、作ったものは個人ではなく組織のものになってしまう。

でもそうじゃなくって、個人が創作する文化を作りたいというのが、僕の考え方です。個人が創作活動をできるようにすることが、人間が人間らしくあるためには重要です。そのためには個人でできる範囲を広げてあげる、ということが重要で、他人のものをどんどんコピーして、自分の創作性をそこに付加できるようにしないと、窮屈になっていって個人から創作の場が奪われるわけです。

ただし、作ったものが単純にそのまま複製されてしまうと、その作品にかけたコストを回収できなくなる。そうすると、複雑なコンテンツを作るインセンティブがなくなってしまう。これも困るわけです。

山田: おカネをかけた作品が作れなくなって、ジブリ的なものが成り立たなってしまう。

川上: 僕はコンテンツの消費者としては、いろいろと面白いものを見たい、変わったものを見たい、複雑なものを見たい。つまり他人のものと自分のオリジナリティを組み合わせて創作できるという環境もありながら、作ったものに関しては少なくとも財産権なりが認められて、ちゃんとおカネがもらえるという社会がいちばん幸せなのだと思うんですよね。

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