“Facebook疲れママ”が行き着いた家族の輪 新世代SNS「ウェルノート」親子3世代を取り込む
世界最大のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)として、日本でもすっかり定着したFacebook。実名で現実の知り合いとインターネット上でつながり、写真や動画などを交えた投稿の共有や個別のメッセージのやり取りなどで交流する、という新たなコミュニケーションを生み出した。
子育て中のママが自分の子どもについて、写真や動画を投稿するのはよく目にするケース。ただ、知り合いからそのさらに知り合いへと情報が拡散していくような情報の流れに対して、プライバシー上のさまざまなリスクを考慮しなければならない場合もある。投稿範囲を限定するといったやり方はあるものの、設定に戸惑って投稿がだんだん億劫になるユーザーも少なくない。いわゆる「SNS疲れ」「Facebook疲れ」などと呼ばれる状態である。
利用者を家族に限定
そんな“Facebook疲れママ”に目をつけた新しいサービスが、急成長している。「ウェルノート」と呼ばれる新世代のSNSだ。特徴はウェルノート上で自分とつながるユーザーを「家族」に限っていること。いうなれば、家族限定SNSである。2012年3月にサービスを開始してからこれまでにユーザーを増やしてきたが、ここ最近は成長スピードが加速。過去3カ月で利用者数はほぼ倍増している。
運営会社のウェルスタイル(本社:東京都渋谷区)は今年9月、ニッセイ・キャピタルから第三者割当増資で1億円を調達。資本金・準備金を1億2999万円に増やした。
ウェルノートはFacebookのように、パソコンのブラウザとスマートフォンアプリの両方で対応しており、メインになるのは家族だけで動画や写真を共有して、アルバムのように残せる機能だ。わざわざ電話やメールで連絡するほどでもないが、お互いに知らせたいような出来事がその対象になるようだ。家族の健康記録もシェアできる。
「子育て中のママが始め、夫と子供、離れて暮らす親を巻き込んでいくケースが多い。昔の日本にあったリアルのお茶の間が減り、家族のコミュニケーションが希薄になっている中で、ネット上にお茶の間を再現できる」。ウェルスタイルの谷生芳彦社長は話す。