“Facebook疲れママ”が行き着いた家族の輪 新世代SNS「ウェルノート」親子3世代を取り込む

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目的を家族内の利用に絞っているため、操作性はシンプル。「4~5歳の子どもがスタンプを使いこなして、60代の祖父母とコミュニケーションを取る例もある。利用者の約3割が50歳以上。ネット系サービスの中ではシニアに強いほうと自負している」。谷生社長は言う。

毎月30枚まで写真をプリントして自動で届けるサービス(1送付先当たり月額540円)はあるものの、ウェルノート自体の利用は原則無料だ。では、どのように収益を稼いでいるのか。実は「親子3世代」をターゲットとしてアプローチできる点が、ウェルノートのマネタイズ(収益化)になるのである。

親子3世代を狙う企業がスポンサー

ウェルノートにはアカチャンホンポ、学研、クレディセゾン、コンビなどのスポンサーがいる。この9月には大丸松阪屋、パルコも新たに加わった。ウェルノートは利用者に対して、これらのスポンサーの専用ページやコンテンツなどを提供。スポンサーの狙いは自社の商品、サービスの訴求やブランドイメージの向上だ。孫や子どものためにおカネを使うユーザー層に直接アプローチすることで、囲い込みを図っている。

ウェルスタイルは教育や小売り系などを軸に、ウェルノートのスポンサーを拡大していく方向だ。谷生社長に言わせると、「サービスを使い始めたユーザーが1週間後も継続して使っていただいている割合は約7割」。ユーザーの定着率は高いといえそうだ。

ゴールドマンサックス出身の谷生芳彦社長が立ち上げたウェルスタイルは、東京・恵比寿にオフィスを構える

ウェルノートは子育てママを中心に親子3世代を狙うため、絶対的なユーザー数はマスを狙うネット系サービスに比べると見劣りするだろう。

また、たとえばLINEでは家族限定のグループをつくってコミュニケーションを取るやり方もある。かつて日本を席巻したmixi(ミクシィ)が凋落してしまったように、SNSも含めたネットの世界は栄枯盛衰が激しく、ユーザーを惹きつけ続けられるサービスを提供していくことが課題になる。

しかしながら、一般的なSNSに息苦しさを感じつつも、シンプルな機能で子ども・孫を交えた家族間のコミュニケーションを取り、その思い出を残したいと考えているユーザー層にとっては、魅力的なサービスの一つではある。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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