世界最大級のコーヒーの提供技術を競う大会「ワールド バリスタ チャンピオンシップ 2025(以下、WBC)」の10日前。
「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ(以下、JBC)2025」で準優勝し、約1カ月後、2024年度JBCの優勝者として世界大会へ出場予定だった猿田彦珈琲 伊藤大貴さんは、病院のベッドにいた。
腎臓に膿が溜まり、医師からは「このままだと腎臓がなくなるかもしれない」と告げられていた。最終的に許可が出て、ギリギリで渡航。満身創痍で挑んだ結果は世界5位。「おもてなし」をテーマとしたコーヒーの味と表現が審査員を唸らせた。
猿田彦珈琲 代表取締役 大塚朝之さんは、壮絶な舞台裏をこう振り返る。
「みんな命がけの気合いで準備してくるんです。僕らも同じように命がけの気持ちで、同じくらいお金もかけている。正直、何千万円も使っています」
「F1」と「公道」を両立させる
世界各国から「コーヒーのプロ」が集まり、技術を競い合う競技会。そして、顧客を「一杯のコーヒーで幸せにする」各店舗。猿田彦珈琲は、この両極端な舞台で戦っている。
「僕がよく言うのは、『スモールな部分とビッグな部分を、どちらもしっかり頑張りましょう』ということ。ある道はF1かもしれない。でもF1の車がそのまま公道を走っても不便ですよね。公道で走れる車を作る人たちも必要なんです」


















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