世界大会の"極限"と日常の一杯——猿田彦珈琲が"両極端"な舞台で戦う理由。コーヒーへの徹底したこだわり、大企業とのコラボ…

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伊藤大貴さん
ワールド バリスタ チャンピオンシップに向けて練習する伊藤大貴さん(写真:猿田彦珈琲)
バリスタの世界大会に数千万円を投じ、「5位は負け」と言い切る覚悟で挑む。反対を押して、大手企業とコラボする。一方で「目の前の客を一杯で幸せにする」ことに心血を注ぐ——。
猿田彦珈琲 代表取締役 大塚朝之さんは、経営には「スモールビジネス」と「ビッグビジネス」の両立が重要だと語る。
ライター・編集者の笹間聖子さんが、誰もが知る外食チェーンの動向や新メニューの裏側を探る連載「外食ビジネスのハテナ特捜最前線」。第18回後編は前編に続き、大塚さんの経営哲学に迫る。
【前編はこちら】8.7坪の小さな店から年商34億円に成長した「猿田彦珈琲」、《求人応募20倍・定着率93%…!》「元俳優」社長が語る"人が集まる"組織の秘密

世界最大級のコーヒーの提供技術を競う大会「ワールド バリスタ チャンピオンシップ 2025(以下、WBC)」の10日前。

「ジャパン バリスタ チャンピオンシップ(以下、JBC)2025」で準優勝し、約1カ月後、2024年度JBCの優勝者として世界大会へ出場予定だった猿田彦珈琲 伊藤大貴さんは、病院のベッドにいた。

腎臓に膿が溜まり、医師からは「このままだと腎臓がなくなるかもしれない」と告げられていた。最終的に許可が出て、ギリギリで渡航。満身創痍で挑んだ結果は世界5位。「おもてなし」をテーマとしたコーヒーの味と表現が審査員を唸らせた。

猿田彦珈琲 代表取締役 大塚朝之さんは、壮絶な舞台裏をこう振り返る。

「みんな命がけの気合いで準備してくるんです。僕らも同じように命がけの気持ちで、同じくらいお金もかけている。正直、何千万円も使っています」

伊藤大貴さん
ワールド バリスタ チャンピオンシップ2025で競技する伊藤大貴さん(写真:猿田彦珈琲)

「F1」と「公道」を両立させる

世界各国から「コーヒーのプロ」が集まり、技術を競い合う競技会。そして、顧客を「一杯のコーヒーで幸せにする」各店舗。猿田彦珈琲は、この両極端な舞台で戦っている。

「僕がよく言うのは、『スモールな部分とビッグな部分を、どちらもしっかり頑張りましょう』ということ。ある道はF1かもしれない。でもF1の車がそのまま公道を走っても不便ですよね。公道で走れる車を作る人たちも必要なんです」

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