
麻布十番店の外観。2階に位置しており、テラス席があるのが特徴(写真:筆者撮影)
昔はあんなによく行ったのに、最近全然見ない“あの店”。
栄枯盛衰が常の外食業界で、現在も続く“かつての人気チェーン店”を巡る本連載。
第3回は、昨年末に日本再上陸で話題を集めた、ハワイ発のカフェ「ホノルルコーヒー」を取り上げる。
かつて全国に20店舗以上を構えた同チェーンが、2024年末に原宿に“再上陸”した。全店閉店から3年――。黒一色のシックな外観で戻ってきた新生1号店は、1杯1100円超えのコナコーヒーを筆頭に強気の価格設定で、月商1000万円をたたき出している。
本稿では、現地取材で見えた「高級路線への大転換」とその勝算を追う。
“再上陸”1号店となる原宿店を訪問
大型連休の原宿・竹下通りは訪日客で溢れ返り、真っ直ぐ進むのも一苦労だ。人混みを避け脇道に逸れると、コーヒーのテイクアウトカップを持つ外国人とすれ違う。思わず周囲を見渡すと、目に入ったのがハワイ発のカフェチェーン、ホノルルコーヒーだった。
ホノルルコーヒーといえば、商業施設に入居していた印象が強い。イオンモールやららぽーと、マルイをはじめ、かつて買い物帰りに立ち寄った記憶がある。それだけに原宿駅チカの路面に構えているのは意外だった。
運営元のホノルルコーヒージャパンによれば、原宿店は33坪で、坪単価10万円近く、単純計算すれば賃料は月300万円前後になる。
実はこの原宿店、“新体制”による1号店だ。遡れば、ホノルルコーヒーは2012年に日本上陸後、最盛期は20店舗以上を展開していたものの、2022年1月に経営不振などの事情で全店舗を閉店。
のちに親会社が現在のホノルルコーヒージャパンに変わり、2024年12月に原宿に再上陸、2025年5月1日には銀座と麻布十番にも出店した。
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