「タリーズ」現地での豆生産の知られざる取り組み 世界30カ国以上と取引するスタバとの違いは?
現在の喫茶業界(カフェや喫茶店)は、「スターバックス1強」ともいえる状況。国内店舗数は1900店を超え、売上高も競合を圧倒する。
そのスタバの陰に隠れがちだが、根強いファンを持つのが「タリーズコーヒー」だ。店舗数は約780店、国内47都道府県すべてに店舗がある。
アメリカのシアトルでスターバックスは1971年、タリーズは1992年に創業された。日本に上陸して1号店を開業したのは1996年(スタバ)と1997年(タリーズ)の1年違い。かつては“シアトル系カフェ”と呼ばれたが、すでに国内で30年近い歴史を刻む。
コーヒーについてもそれぞれこだわりを持つが、特徴は異なる。今回はあまり知られていない「タリーズのコーヒー」に焦点を当て、現地で調達する担当者に話を聞いた。
アフリカ「ブルンジ」で生産されたコーヒー
5月中旬、東京都内のタリーズ店舗では「ブルンジ ブジラ ブルボン100%」(ブルボン種100%のシングルオリジン)という商品が限定販売されていた。東アフリカのブルンジ共和国で生産されたコーヒー豆で、同国の民族柄を使用し、国旗カラーを基調にしたパッケージが目を引く。シングルオリジンとは単一豆で、他の豆とブレンドしないという意味だ。
「ブルンジには、原種に近い希少なブルボン種が残っており、それを100%使用したコーヒーです。タリーズのコーヒーは大規模生産地や有名農園にこだわらず、味の美味しさ、ユニークで際立った特徴を持つ豆を選び、それを国内の工場で焙煎しています」
タリーズコーヒージャパンの渡邊瑛子氏(プロダクト本部ビーンズ開発グループ・チームリーダー)はこう説明する。2015年からコーヒーの調達と品質づくりに携わるスペシャリストだ。
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