世界大会の"極限"と日常の一杯——猿田彦珈琲が"両極端"な舞台で戦う理由。コーヒーへの徹底したこだわり、大企業とのコラボ…

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大塚さんに俳優だった経験があったからか、発売後、求められて「ジョージア ヨーロピアン」のCMにも出演。(これも批判覚悟で、実際にかなり批判されたそうだが)猿田彦珈琲の知名度は一気に高まった。

さらに2023年からは、コンビニ大手ローソンとのコラボレーションもスタートし、ラテやスイーツ、パンを発売。次々に新たな商品が登場している。

ローソンで限定発売されているカフェラテ
ローソンで限定販売されているカフェラテ 砂糖不使用188円(写真:猿田彦珈琲)

コロナ禍は三菱商事に支えられ、再び独立へ

快進撃を続ける猿田彦珈琲だが、落ち込んだ時期もある。コロナ禍直前の2019年5月期の決算では約1億2000万円の損失を出し、そのまま悪夢のコロナ禍に突入した。

そこに救世主として経営参画したのが三菱商事だ。持株比率は14.98%。三菱商事から計3名が出向した。大塚さんはその存在を「事業の当事者として本気で向き合い並走してもらった」と表現する。

「三菱商事さんがいなかったらコロナ禍の苦しい時期を抜け切れなかったはずです。本当に助けていただいたという気持ちが100%ですね。今もとても感謝しています」

支えてもらい、学び、2025年9月30日、猿田彦珈琲は三菱商事持分の株式を買い戻し、再び独り立ちを果たした。2024年5月期の純利益は約4005万円、年商は約34億円に達している。

調布焙煎ホール
ゆったりとスペースが取られた、「調布焙煎ホール」の内観(写真:猿田彦珈琲)

そこから5カ月。けれど大塚さんは、「今はまだ急速な拡大をしない、我慢の時期」と語る。

「今ここで揺るぎない地盤を作っておかないと、もう一段階上に行った時に、もっと大変な思いをすると予測しています。フェイス・トゥ・フェイスで、利他の精神をみんなに理解してもらう時期だと思っています。

なぜなら、野球でもサッカーでも、万年いい調子のことってまずない。大谷翔平選手でも打てない時期がある。調子が悪くても一定以上の成績を残せる組織になれるよう、人を育て、日々努力を積み重ねる時期だと考えています」

そして、大塚社長が大好きなイギリスのサッカーチーム、チェルシーFCの話をしてくれた。2024~25年のシーズン、監督のエンツォ・マレスカ氏は試合終了前15分くらいまで、選手をほとんど交代させなかったそうだ。1対0から同点にされたり逆転負けする試合が続き、ファンは激怒した。

「僕も深夜に転げ回るぐらい、本当に腹が立ちました。どうしても納得がいかなくて」

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