“偶数月15日”の昼、満員の理由
「店、間違えたかな⋯⋯」
先月、東京出張の道すがら入った神田西口の日高屋で面食らった。以前は昼も夜もサラリーマンで満員だった店が、高齢者グループで4割方埋まっていたからだ。
まだ13時だがジョッキを合わせ、「健康に!」と乾杯している。一緒にいた取引先の女性が、「今日は偶数月の年金支給日だから混むのよ」と教えてくれた。隣には、生ビールやハイボール片手に枝豆をつまむ4人組主婦グループ。中華そばを仲良く食べている親子連れもいる。
日高屋と言えば会社帰り、中華料理や手頃なつまみを肴に一杯やる「サラリーマンのオアシス」という印象があったのだが、この客層の変化は何が起きたのか。
そう思ってハイデイ日高の2025年2月期決算資料を見てみると、急激な右肩上がりを示していた。2023年の売上高は約381億円、2024年が約487億円、2025年度は556億円。
同3年の営業利益は約6.1億円、約46億円、約55億円。さらに、2026年2月期の業績予想には、「売上高600億円、営業利益60億円」が掲げられている。
好調の理由は、客層の拡大だろうか。しかし、日高屋と言えば、中華そば1杯420円、生ビール1杯390円などの低価格が売り。
少し前に着席したマダム2人組の席を見ても、おつまみ唐揚げ(3個)310円、餃子(6個)300円、生ビール390円、陸ハイボール340円。合計1340円、一人当たり670円と安い。居酒屋ならお通し代だけで300~500円する店もあるが、日高屋にはお通しもチャージも一切ない。
この安さで売上高600億円、営業利益率10%を見込める要因はどこにあるのだろうか。



















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