
養老乃瀧新宿西口店(筆者撮影)
2025年2月時点で、国内の居酒屋チェーンで最も店舗数が多いのは、「鳥貴族」で657店舗とされている(日本ソフト販売が発表)。
では、約30年前だったらどうだろうかーー。
答えは「養老乃瀧」で、最盛期は1800店舗近くを展開していたと言われる。1956年に1号店を開業後、高度経済成長期の追い風もあり、爆発的に店舗数を拡大する。居酒屋業態の単一ブランドとしては、最も規模が大きいチェーン店に成長した。
時代の寵児となった養老乃瀧だが、栄枯盛衰が飲食業界の常。2025年8月現在は、約180店舗、最盛期の1割近くまで縮小している。
最盛期の数もさることながら、浮き沈みの激しさも印象的だ。なぜ養老乃瀧は絶頂期から衰退の一途をたどったのか。そして現在の姿とはーー。副社長への取材と現地レポから迫った。
国内の居酒屋業態で初めてFCを導入
本部が経営ノウハウやブランドの屋号を提供し、加盟店は対価としてロイヤリティーを支払うーー。
現在では、当然のように浸透しているフランチャイズ方式が、国内で初めて導入されたのは1963年、不二家とダスキンだったと言われている(日本フランチャイズ研究機構による調査)。
それから3年後の1966年、居酒屋業態として最も早く、フランチャイズ方式を導入したのが養老乃瀧だ。
当時、外食産業において、店舗展開の定石は「のれん分け」とされていた。いわゆる社員が一定期間、親店で経営のノウハウを積み、同じ屋号で独立を果たす、丁稚奉公に近い制度だ。
フランチャイズ方式を導入する以前、養老乃瀧も直営だけで100以上に店舗数を伸ばしていた。高度経済成長期の最中で、競合も少なかった時代、リーズナブルに煮込みや焼鳥、刺身を満喫できる大衆酒場は、市井の人々に愛され日夜活況が続いた。
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