≪養老乃瀧≫30年前は居酒屋で「店舗数日本一」だったが… 副社長が激白する"首位陥落"を招いた意外な要因

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その一方で、リブランディングを経た「西荻窪店」は、従来の店舗と何もかもが異なる。外観は赤地の看板が撤廃されており、建物もシックな雰囲気にまとめられている。休日の18時ごろに訪れた際は、単独の中年男性は見当たらず、30~40代と思しき3~4人組が数卓確認できた。

メニューをめくると、前段のページに創作料理が押し出され、定番どころより一手間加えたメニューをプッシュしたい意図がうかがえる。「自家製チヂミ(税込594円)」「山芋のお好み焼(税込506円)」「灼熱四川風麻婆(税込638円)」といった料理が、大きなビジュアルとともにアピールしている。

養老乃瀧
西荻窪店のメニュー(筆者撮影)

折角なので、定番どころを避けて注文すると、どの料理も盛り付けがきれいで味も美味しい。「自家製チヂミ」はサクサクの生地にニラやキノコの食感がマッチして、「〆さば利久掛け(税込530円)」はごまとシソのさっぱり感が絶妙だ。「イカ串(税込462円)」はイカの肝を和えたタレにお酒が進み、各料理ともこだわりが感じられる。

結局、2人で料理6品とお通し、アルコール3杯を頼み、会計は4939円。現在の客単価は約3000円と、ここにお酒を1杯ほど追加注文すれば相場に落ち着く。総括すれば、レガシーを残す旧業態では雰囲気を堪能でき、リブランディング後の店舗では飲食を満喫できた。

2人で料理6品とお通し、アルコール3杯を頼み、会計は4939円(筆者撮影)

店舗数は最盛期から10分の1に

聞けば、養老乃瀧では、2010年頃に改装を進め、2010年代半ばからメニューの刷新に注力しているそうだ。加盟店によっては、経営体力の兼ね合いから旧態依然のまま営業を続ける店舗もあるが、現在は西荻窪店のようなパッケージが主流だ。老舗なだけに各店舗の老朽化を改善し、客層の若返りを狙う意図がある。

一方で、改装やメニュー改定を行っても、歴史が長いだけにかつてのイメージが残る側面も大きい。新メニューを投入しても、顧客の一定数は週3~5回ほど通うリピーターともあり、それだけ定番メニューの人気が根強い。新商品の注文が見込めないジレンマもあるなか、それでも刷新を続けるのは「総合型居酒屋としての矜持」と谷酒氏は口にする。

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