「全品270円」でかつては大人気、居酒屋「金の蔵」が今では“残すところ1店舗”の理由とは?現地&社長取材から徹底分析

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金の蔵
日本に現存する唯一の「金の蔵」池袋サンシャイン店(写真:筆者撮影)
昔はあんなによく行ったのに、最近全然見ない“あの店”。
栄枯盛衰が常の外食業界で、現在も続く“かつての人気チェーン店”を巡る本連載。
第1回は、「きんくら」の愛称でお馴染み、『金の蔵』を取り上げる。2009年に「全品270円」を掲げて居酒屋業界に参入し、最盛期には約100店舗を展開。しかし現在残っているのは1店舗のみだ。その背景を現地取材と社長へのインタビューから探った。

現存するのは「池袋サンシャイン通り店」のみ

筆者が大学生だった2010年代半ば。新宿や渋谷のターミナル駅周辺を散策すると、必ずと言っていいほど「金の蔵」の黄色い看板を見かけたものだ。当時すでに「270円均一」は押し出していなかったものの、大箱で定番メニューを揃える金の蔵は、大学生からしたら「とりあえず入店するには無難」という印象だった。

それから10年近く経過した2025年3月末現在、金の蔵は『池袋サンシャイン通り店』を残すのみとなっているようだ。懐かしさを覚えつつ、現状が気になり、友人を誘って来訪した。

金の蔵
池袋サンシャイン店の外観、びっくりドンキーが隣接している(写真:筆者撮影)

3月末の平日21時過ぎ。訪日観光客や会社員で溢れるサンシャイン通りを脇にそれてすぐ、地下1階に下りると金の蔵に到着する。店頭に掲げられた「飲み放題120分1300円」「食べ飲み放題3000円」の看板を目にすると、創業当初の「270円均一」の勢いはないものの、現在もなおリーズナブルさを売りにしているようだ。

入店ののち、総席数242席の大箱を回遊すると、体感6割ほど席が埋まっており、客入りはそれなりのようだ。店奥には最大40人を収容できる宴会席が設けられ、歓送迎会シーズンもあってか、スーツ姿の団体客も2組確認できた。聞けば、2024年の売り上げは、コロナ前の2019年比で、9割近くまで回復しているという。

金の蔵
2名用の半個室席(写真:筆者撮影)
【画像21枚】一世を風靡した居酒屋「金の蔵」の現在。オムそば、たこやき、ピザなど童心をくすぐられるメニューの数々を写真で見る
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