「全品270円」でかつては大人気、居酒屋「金の蔵」が今では“残すところ1店舗”の理由とは?現地&社長取材から徹底分析

現存するのは「池袋サンシャイン通り店」のみ
筆者が大学生だった2010年代半ば。新宿や渋谷のターミナル駅周辺を散策すると、必ずと言っていいほど「金の蔵」の黄色い看板を見かけたものだ。当時すでに「270円均一」は押し出していなかったものの、大箱で定番メニューを揃える金の蔵は、大学生からしたら「とりあえず入店するには無難」という印象だった。
それから10年近く経過した2025年3月末現在、金の蔵は『池袋サンシャイン通り店』を残すのみとなっているようだ。懐かしさを覚えつつ、現状が気になり、友人を誘って来訪した。

3月末の平日21時過ぎ。訪日観光客や会社員で溢れるサンシャイン通りを脇にそれてすぐ、地下1階に下りると金の蔵に到着する。店頭に掲げられた「飲み放題120分1300円」「食べ飲み放題3000円」の看板を目にすると、創業当初の「270円均一」の勢いはないものの、現在もなおリーズナブルさを売りにしているようだ。
入店ののち、総席数242席の大箱を回遊すると、体感6割ほど席が埋まっており、客入りはそれなりのようだ。店奥には最大40人を収容できる宴会席が設けられ、歓送迎会シーズンもあってか、スーツ姿の団体客も2組確認できた。聞けば、2024年の売り上げは、コロナ前の2019年比で、9割近くまで回復しているという。

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