「全品270円」でかつては大人気、居酒屋「金の蔵」が今では“残すところ1店舗”の理由とは?現地&社長取材から徹底分析
メニュー表をめくると、幅広い品揃えも健在だ。定番どころのスピードメニューや串盛り、刺身や揚げ物に加え、たこやき(5個438円、以下すべて税込)、オムそば(548円)、海老マヨ寿司(3貫438円)、ナポリタン(834円)、照り焼きチャーシュー和風ピザ(658円)なども並ぶ。カラオケに行った際に頼むような、童心をくすぐられるラインナップが揃うのも総合型居酒屋ならではだ。


注文はスマホから送信するシステムで、半個室の4名席に、頼んだメニューが続々と到着する。料理が5~6皿載っても、余裕を持って卓を使えるのが大箱店の嬉しいところだ。

対照的に、肝心のメニューはややコスパに欠ける印象だった。直径500円玉強のたこやきに、申し訳程度の豚バラに薄い卵が載ったオムそば、2本504円の月見つくねは餡の細さが寂しく映る。定番の唐揚げは4個で438円、サーモンの刺身も6切れ程度で548円、モンブランやチョコレートケーキなどのスイーツも614円と、価格帯に優位性は感じられない。味も想像通りの範疇で、リピートしたいメニューがあるかと言われると微妙だ。
結局2人で、料理10品、アルコール5杯に、お通し876円が乗っかり、会計は7809円。これなら料理36品をカバーする、食べ飲み放題3000円コース(税込)を選ぶべきだった。
筆者の正直な感想
総合的に見れば、メニューの幅広さや広々席を使える魅力はあれど、価格や料理には満足感が欠ける印象だ(筆者の個人的な見解です)。たしかに、食べ飲み放題プランはコスパに長けているが、平日からがっつり飲み食いするかと言われると、翌日の負担が脳裏をよぎる……。
皮肉にも、全盛期から変わった最たるポイントが、価格の優位性であれば、縮小を余儀なくされたのも納得がいく。こと都心部の一等地で、半径100m周辺には『笑笑』や『白木屋』『一休』といった競合店舗もひしめく。現在の、最安328円の価格レンジを見ると、わざわざ金の蔵を選ぶ人が減ってしまったのも致し方ないように思える。
……と、ここまで好き勝手に書いたものの、内情はどうなのか。金の蔵を展開するSANKO MARKETING FOODS(以下サンコー)に連絡を入れると、現社長が直々に対応してくれる運びとなった。

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