激安3Dプリンタで世界はどう変わるのか? 台湾XYZプリンティングが描く世界戦略
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――XYZプリンティングが初めて3Dプリンタを発売してから約1年が経ちます。これまでの成果をどう見ていますか。
販売台数は世界全体でまだ多く見ても8000台程度だが、これからどんどん伸びていくと思っている。3Dプリンタの応用方法も色々出てきたし、販売地域も、最初は米国だけだったが、日本、欧州と広がりつつある。
EMSだからこその強みがある
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――これほど安く作れる理由は。
1つは、社内の垂直統合がある。われわれはEMSメーカーなので、部品が安く入手できる。生産工場ももともと自社にあるので、生産コストが非常に安価で済む。もう1つはノウハウがあることだ。EMSメーカーとしてインクジェットプリンタ、レーザープリンタなどの各種プリンタをこれまで15年間製造してきた。この基礎が3Dプリンタの開発・製造に生かされている。
――なぜ、EMSメーカーが3Dプリンタを始めたのですか。
きっかけは2年ほど前にさかのぼる。3Dプリンタの市場が立ち上がってきたとき、われわれも開発しようという話が持ち上がった。そこで、通常のプリンタを作っているメーカーに相談したところ、タイミングが早いと言われ断られた。しかし、新金宝グループの母体、金宝グループのロック・シュー社長が今参入するべきだと決断した結果、XYZプリンティングを設立して、自社で3Dプリンタを始めることになった。
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