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主体的、前向きとはどういった状態か
小学校は2020年度から、中学校は2021年度から学習指導要領の目標や内容が変更になりました。この中で、「学びに向かう力」が重視され、従来の評価項目のひとつであった「関心・意欲・態度」は、「主体的に学習に取り組む態度」という言葉に置き換えられました。つまり、いま日本の教育の大きな柱の一つとして「主体的」が強調されています。
では主体性とは何かというと、これといって決まった指標があるわけではありません。「主体性の評価自体、難しい」と指摘する教育専門家の方も少なくありません。
しかし、学校での評価はさておいても、「主体的、前向きな状態は大切」と思う人は少なくないのではないでしょうか。そこで、子どもが本来持っている前向きさが引き出され、それが結果的に学校の成績に結び付けばいい、という流れで考えておくのもいいかと思います。
さて、八巻さんのお子さんは内向的ということですが、室内にひとりでいることを好むけれど、性格は前向きであることは多々あります。前向きさには、わかりやすいものと、そうではないものがあるのです。
例えば、子どもがハキハキ自分の考えを発言せず、外で人と遊ぼうとしないとなると親は心配しがちですが、それこそ一面だけを見ての評価です。内面では自分の興味がある対象には前向きであることは多くあります。
例えば、絵を書くことが好きで、人と会話をすることを好まない子どもがいたとします。すると親は、もっと社交的に、友だちと会話してほしいと願い、この子は前向きでないと捉えたりします。しかし、その子は絵に対しては「前向き」であり、充分心も満たされているのです。
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