うちの子は「主体性がない」と言う親の重大な盲点 子どもの前向きさを引き出すための3つのコツ

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しかし、ここでも次のような質問が出てきます。「ゲームも果てしなくやっていいのか」です。

ゲーム問題の解決法

ゲームは難しい問題で、暇つぶしにやっている子もいれば、本当にセンスがありeスポーツに出るレベルの子もいます。注意したいのは、放っておくと異常にやり続け、中毒性を帯びるケースです。そのような特徴の子には、さすがにルール決めが必要です。

3) 子どもの意見を否定せず、親は聞き役に徹する

意見に対して否定ばかりしていると、二度と意見をしなくなります。子どもの場合は特に顕著です。「わからない」という言葉を使って、親の問いに答えなくなることもよくあります。これは学校でも同じです。先生に意見を否定され続けた子どもたちは、その後聞かれても「わかりません」と答え、二度と自分の意見を言わなくなる。そんな場面をこれまでいくつも見てきました。

「話す」「聞く」の2つのとき、話すとき、人は能動的になります。一方、聞くときは受動的になりがちです。ですから、親は聞くこと、そして時折、質問をすることを意識してみます。子どもが自ら話をするような状態にすることを意識していくと、子どもの前向きさが引き出されていきます。

仮に親と子どもで意見が異なるときは、「そういう考えもあるよね、でも私はこう思う」と親は自分の意見を言うのはOKです。意見に正解、不正解があるわけではないため、異なっていても問題ありません。

また、子どもが話をしたくない場合は、無理やり話をさせる必要はありません。子どもが話したい話題を振ってみて、話をしたくなるようであれば、話をさせてあげてください。

以上、このように家庭での接し方を少し変えてみるだけで、子どもの前向きさが引き出されることがあるはずです。なお、いつでも前向きな人などいません。あまり深刻に、極端に考えることなく、穏やかに取り組んでみるといいのではないかと思います。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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