最近、人手不足がさまざまな業種で言われるようになってきましたが、ついに会社の業績にまで影響を及ぼす状態になってきました。
中でも「困っている」との声をよく聞くのが、アルバイト・契約社員の人手不足。新聞や経済誌などでもアルバイトの採用ができないために店舗を閉鎖、さらに業績も下方修正を余儀なくされた外食事業の話題が、いくつも紹介されています。当方の地元でもアルバイト不足で店舗を一時閉店状態にして何カ月も経過している牛丼店があります。まさに“人手不足閉店”。
「店の前に張ってあるアルバイト募集の時給が徐々に上がっている」
と周囲でも話題になっています。最近では、もはや時給を上げても応募がない、あるいは採用した社員が短期間で辞めていくと、会社も認識するようになってきたようです。
アルバイトが採れない! 採用コスト急増で悲鳴も
「某居酒屋チェーンで起きた100店舗近い“人手不足閉店”のようなことが、これから外食業界では頻繁に起きるのでは」
と指摘する業界関係者もいます。ただ、人が採れないからと、簡単にあきらめるわけにもいきません。結果として次に起きている問題が、アルバイトの“採用コスト”の急騰です。
一例を紹介すると、アルバイト募集に年間数千万円ものコストをかけていたある介護会社で、退職者が急増。しかも、入社から平均勤続で半年を切る状態にまで悪化したそうです。ただ、事業は拡大中で、サービス拠点が増えるので、募集コストを湯水のように使ってでも人が欲しい状況。ところが、そのコスト削減に関して本社では関知できていないのが実情でした。その理由は?
《アルバイト採用は現地に任せるしかない》
と思われているからだそうです。新卒・中途採用であれば、1人当たりの採用コストは人事部で管理するのが当たり前。ところがアルバイト・契約社員に関しては野放しになっている会社がどんなに多いことか。
たとえば、取材した外食企業では、アルバイト募集「1掲載当たりのコストは数万円」。さらに採用に効果的な媒体(ネット・フリーペーパー)は地域によってバラバラ。業界大手がカバーしていない地域もたくさんあります。ゆえに媒体の選定、予算管理は店舗任せ。ただ、それでも年間の募集費用に大きく変化がなかったので、長く放置されてきたようです。
ところが、昨年あたりから採用環境が大きく変わり、募集時平均時給・給与が毎月のように上昇するようになると、応募数が激減。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら