たとえば、社内でキャリア形成できる人事制度や育成プログラムを準備しておくことが必要でしょう。経済産業省が2006年より提唱している「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」といった
社会人基礎力の強化
の機会を提供し、意識とスキルを高めることで、人材の定着率を上げることが重要ではないでしょうか。
バイトでもきちんと活躍できる職場か
2つめはアルバイトや契約社員だから人材が集まらないのは人事的な努力不足ではないか、ということです。
長時間拘束される正社員ではなく、自分らしく、自由に出勤時間をコントロールしたいと考えている人は増えています。正社員とアルバイト・契約社員はヒエラルキー(階層)ではなく、お互いを認め合って仕事ができる風土が醸成できている会社では、退職率は増加していないようです。時給などの待遇面のアップによるリテンション策(人材流出の抑制)よりも、
・福利厚生面で正社員と同等に処遇
・人事評価による待遇面でのメリハリ
などが効果的です。振り返ると、前職(リクルート社)もアルバイト・契約社員が、正社員と同等(ときにはそれ以上)に精力的に仕事に取り組んでいる会社でした。退職者が少ないうえ、友人・知人に声をかけてくれる「友呼び」から人材確保に成功していました。この友呼びによる採用を頻繁にしている業界のひとつが生命保険業界の営業職。むしろ求人広告など不要くらいの意気込みで、採用に臨み、成功している職場をいくつも知っています。
さて、直近では佐川急便が宅配サービスの配送要員として、今後2年間で、およそ1万人の主婦の契約社員を採用する方針を発表しています。1日当たり30個程度の宅配便を自宅周辺で徒歩か自転車で配送する仕事で、ドライバーの配送要員を補完する役割だそうです。
インターネット通販の普及などで、佐川急便では宅配便の数が増加していて、主婦の労働力を積極的に活用し、配送を細かく分業することで人手不足を補いたい考えとのこと。こうした柔軟な発想と採用手法で、人材が集まる職場環境を整備することが、正しい方向であるように思えてなりません。
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