ひるがえって、この国を見たとき、まだまだ、そのリーダーシップの常識をアップデートできていない印象がぬぐえません。
「言えば伝わる」「言わなくても伝わる」とばかりに、「共感力」「発信力」は低く、コミュニケーションは「密談・密室・密約」という3密が基本だと思っている。パブリックとの「対峙力」「説明力」「説得力」といったものが備わっていないリーダーがあまりに多いわけです。
年齢や性別がリーダーシップの向き不向きを決めるものではありません。しかし、自らの誤りを素直に認め、時代の流れを読んで、謙虚に学び続けようとする力を失った時点で、「リーダーの資格がある」とは言えないでしょう。
前例に従って物事を進め、事前に調整しておけば、会議での発言も不要。あとは忖度と腹芸といったコミュニケーションしかしてこなかった「昭和のオジサンリーダー」は、あっという間に昨日までの常識が非常識に変わる変化の早い時代には通用しません。
そういった意味で、日本のリーダーの質は「劣化した」というよりは、いつまでも、過去の常識に縛られたままで、「教官型→共感型」へ変化しようとしないがために、「秒速で動く時代から取り残されている」と言うべきかもしれません。
いまこそ、「あるべきリーダー像」を描き直し、トップ自ら「共感型のコミュニケーションの学び直し」を始めるときなのではないでしょうか。
一流のリーダーほど、卓越した「共感力」の魔術師
情報のあふれる現代社会において、トップダウンで、自分の話したい話を一方通行で伝えるコミュニケーションでは、人を動かすことはできません。
力により支配しようとすれば、「ハラスメント」などと告発される世の中ですし、何より、「教官型」「強権型」は、下にいる人たちの自主性、思考力、創造力を奪うばかりではなく、「真の力」を引き出すことができません。
トップダウンで、権威を誇示する「支配型」よりも、むしろ、組織のメンバーを「支援」することによってその力を引き出す「サーバントリーダーシップ」といった概念も注目されています。
そこに欠かせないのが、社員の気持ちを理解し、寄り添う「共感する」力、対話をし、感情を動かし、モチベーションを高める「共感させる」力。その「共感力」こそがいまのリーダーには求められています。
もちろん「共感力」が必要なのはリーダーに限りません。何事も、自分ひとりでできることには限界があり、人を動かし、人に助けてもらう必要がある以上、「共感力」のない人は人望も得られず、人に助けてもらえず、長い目で見れば、結局、仕事でも人生でも成功しません。
「無能なナルシストのエリート」が没落してく姿を「反面教師」にして、「共感力のある人」を目指す必要があります。
ただし、内心でいくら共感していても、黙っていては伝わりません。「共感」を相手に伝え、人を動かすのは「話し方」です。
コロナ禍で株を上げる世界の一流のリーダーほど、卓越した「共感力」の魔術師であり、共感を武器に人を動かす「話し方」の達人でもあります。ぜひ皆さんも「共感力」を鍛え、「人を動かす人」「人に慕われる人」になってください。
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