頭の良さより「共感力」で人生が決まる納得理由 「無能なナルシスト」は、もう成功しません

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「権力」という麻薬の中毒となった人は、それを失うことを極度に恐れ、いつまでもしがみつこうとします。森氏は「報酬はもらっていない、ボランティアだ」と言い張り、当初は辞任を拒否していましたが、権威と面目に固執していた部分はまったくなかったと言い切れないように感じます。

彼を駆り立てていたのは、「いつまでも人の役に立ちたい」という思いかもしれませんが、「肩書」「権力」「権威」に依存したり、ふんぞり返ることなく、社会に貢献する道はいくらでもあるのではないでしょうか。

世界のリーダーは「教官型」から「共感型」へ

タテ社会のしきたりを重んじる日本では、いまも「強権型」のカリスマリーダーがもてはやされる傾向があります。

これは、そのリーダーだけの責任というわけでもなく、その下に付く人々にすれば、「自分で判断しなくても、ただ盲従すればいい」という「持ちつ持たれつ」の関係性ともいえるでしょう。

しかし、上から一方的に支配・指示する「教官型」「強権型」はもはや時代遅れという考え方が、世界のリーダーシップ研究の主流です。時代とともに、求められるリーダー像は、社員と同じ目線に立ち、その力を引き出す「共感型」へと変わってきているのです。世界のトップエリートを見ても、「教官型→共感型」への流れは顕著です。

例えば、かつて、アメリカの超一流企業において、一世を風靡していたのは、「カリスマ強権型」のスティーブ・ジョブズ(アップル)やジャック・ウェルチ(GE)でした。しかしいまは、ティム・クック(アップル)、サチャ・ナデラ(マイクロソフト)、サンダー・ピチャイ(アルファベット=グーグル)といった「共感型」のリーダーが台頭、成功を収めています。

ちなみに、『フォーチュン』誌の最も尊敬される会社の2021年版の上位10社を見てみると、アマゾンバークシャー・ハサウェイ、ネットフリックスなど創業リーダーが居並ぶ中で、上記のアップル、マイクロソフト、グーグルのほか、ウォルトディズニー、コストコホールセールなど過半数の企業のリーダーは、共感力の高い「好感度系」でした。

どの人も「共感力」が経営の柱であると口を酸っぱくして訴え、「『あの人は嫌な人だ』という人が周りに誰もいない」と言われることが多いリーダーたちです。

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