緊急事態宣言が全国で解除され、数カ月にわたった学校の休校も終了。分散登校といった形で、ついに学校が再開された。
休校中は、紙プリントの課題が大量に出されたりと、学びの質は自治体や学校ごとにバラつきがあった。休校が解かれほっと一息つきつつ、「子どもの教育は大丈夫なのか?」「先生の指導力はこんなもの?」と不安になった親も少なくないだろう。
休校で失われた数百日を取り戻すため、今後は「詰め込み学習」となる懸念も囁かれる。そこで今こそ考えてみたい。今後学校はどのように運営されれば、真に子どもたちのためになるのか。
公立小学校の教員など2000人の問題意識
さまざまな問題意識のもと、有志の教員たちが立ち上がった。5月27日夜に教員らが開催したオンラインセミナー「6月からの授業のあり方 〜withコロナ時代の対話的な学習とは〜」。登壇したのは20数名、休校中にオンラインで朝の会を実践し続けるなどで奔走してきた、公立小学校の教員らだ。約2時間半に及ぶこのセミナーを聞こうと、全国から2000人近い参加申し込みが殺到した。
発案者であり、全体のファシリテーターを務めた小学校教員の庄子寛之さん(36)はこう訴えた。
「(教え子たちを)かわいそうな“コロナ時代の子ども”にしたくない。今のままだと確実にそうなる。僕ら教員がやれることからまずやってみることが大切ではないか」
庄子さんは、調布市内の小学校に勤務している。4月頭に「オンライン授業を通してこれからの教育を考えようプロジェクト」を結成、セミナーを2人で始めたら、回を重ねるごとに人が増え、4回目には約400人が参加。5回目にあたる今回まで、ひと月半の累計の参加者は約2800人にも膨らんだ。参加した半分以上は、公立小中学校の教員だ。
庄子さんは、学校再開で出て来るであろう懸案についてこう語る。
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