その蓑手さんは、「授業を“同期”と“非同期”の2種類で分けて考えてはどうか」と提案する。
パソコン用語でもある「同期」は集団で一斉にやること。教員がホワイトボードで説明するなどオンラインでも可能なものだ。対する「非同期」は、家や地域など、時間も各々バラバラで学ぶ。双方向授業を支援するシステム「スクールタクト」を活用し、自分でやることを決めて、実行したらそれを振り返る。それらをクラスの仲間と共有して進める。自分の好きなときに好きなことを好きなだけ時間をかけられる。プリント学習などもこれにあたる。
スクールタクトを使えば、声を出さずとも密にならないグループ学習が成立する。つまり、同期、非同期の両方でICTは活かされる。
「一斉で受ける同期においても、非同期に耐えうる力をつけていくことが、これからポイントになると思う」
分散登校も含めてコロナと学校が付き合っていく中で、蓑手さんは「ICT活用能力と自立して学ぶ力」が重要になると話す。これは近年叫ばれる教育の「個別最適化」を進めていくうえで欠かせない力だ。子どもたちがタイピングできるようになれば、(密になる)班ごとのグループ学習ができなくても、それをチャットで補えると考える。
「宿題も、クラウドにすればそこにあげておいてくれたら、学校に来たときにできない子は詳しいフィードバックをして救うことができる。まさに、個別最適化です」
中教審で語られたおそろしい「予言」
日本全体としては今後いったいどうなっていくのか。5月26日に中央教育審議会初等中等教育分科会が発表した「新型コロナウイルス感染症に対応した新しい初等中等教育の在り方について」には、何も手を打たないとこんな未来があると警告する言葉が並んでいた。
ちょっと背筋が寒くなる内容だ。
「かわいそうなコロナ時代の学校」ではなく、「コロナで良くなった学校」にできるのか。教員、保護者、自治体等々、子どもにかかわるすべての大人のこれからの行動にかかっている。
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