あなたは「屋久島」の奥深さを知っていますか 思わず人に話したくなる蘊蓄100章で綴る

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20. 「千尋(せんぴろ)の滝」は屋久島中央部に水源を持つ鯛ノ川にあり、その落差は60mである。

21. 千尋の滝はモッチョム岳の東側斜面に広がる250m×300mの巨大な花崗岩の岩盤に面しているのが特長。

モッチョム岳の東側にある千尋の滝(写真:takechaaann/PIXTA)

22. その岩盤が〈千尋=千人が手を結んだくらい大きい〉ことから、この名称がついたとされる。

23. 〈南の島〉のイメージが強い屋久島だが、その地形から標高によって平均気温が異なる。

24. 海岸部にある人里の年間平均気温は19.4℃だが、標高600mの白谷雲水狭では年間平均気温は約15℃。

25. 縄文杉のある標高1300mでは年間平均気温は約11℃、最高峰・宮之浦岳では年間平均気温は約7℃となる。

26. 標高が100m上がる毎に気温が約0.6~0.7℃低下し、日本国内において〈積雪が観測される最南端〉でもある。

27. ほぼ亜熱帯に属する地域にありながら2000m近い山々を持つ屋久島では多様な植物相が確認されている。

28. 海岸付近の低地には亜熱帯性の植物がみられるが、この〈ガジュマル林は日本最北端〉のものとされる。

29. やや内陸の標高500mくらいまではシイやウラジロガシなど暖帯林、以降1000mまでは混合林でスギも見られる。

30. 1000~1600mは屋久杉、ヤマグルミ、モミなどの温帯林で、1600mを越えるとササに覆われ高山的様相となる。

31. 本州や四国などで落葉広葉樹林帯にあたる部分にブナの代わりに「屋久杉」が分布しているのも特長的である。

屋久島独特の山野草

32. 島の中心部には〈日本最南端の高属湿原〉である「花之江河(はなのえごう)」「小花之江河」も広がっている。

33. 特有の自然から〈ヤクシマ〉と冠した植物が多数存在するが、他の地より小ぶりなものが多いといわれる。

34 一般的にアキノキリンソウは30cm以上になるが、その変種である屋久島のイッスンキンカはせいぜい7cm程度。

35. このような特長を持つ山野草は盆栽としての観賞価値が高く、「屋久島もの」と呼ばれて珍重されている。

36. 「屋久杉」とは、屋久島に産したスギのなかでも〈樹齢が1000年を超えたもの〉を指す。

37. 屋久島のスギは、その特異な自然環境に対応して抗菌性を持つ樹脂が多量に分泌し、きわめて長寿になる。

38. 他にも幼樹の葉が鋭いなど、この土地のスギならではの特長的な形態を有している。

39. 抗菌性・耐久性があることから中世以降、建築材や造船材として大いに利用されることとなった。

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