あなたは「屋久島」の奥深さを知っていますか 思わず人に話したくなる蘊蓄100章で綴る

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60. 屋久島町の行政区域は屋久島と口永良部島の2つの島から成りたち、屋久島町の人口は約13000人。

61. 屋久島へのアクセスは大阪・福岡・鹿児島各空港からの飛行機、鹿児島からのフェリー、高速船がメインとなる。

62. 海の玄関口となるのは宮之浦港(主)と安房港(副)で、そのおよそ中央に位置する小瀬田に屋久島空港がある。

63. 島内には海岸線に沿って宮之浦、安房、小瀬田など24の集落があるが、かつては集落が生活の基本単位だった。

64. 神山、神木も異なり、道路が整備されたいまも集落独自の文化が残っており行事なども各集落単位で行われる。

65. 島内の電気は日本で唯一の発送電分離形式をとっており、発電事業と送電事業が異なっている。

66. 発電するのは、炭化ケイ素製造を行う「屋久島電工」が精錬所の自家発電用に建設した水力発電所と火力発電所。

67. そこで生み出された電気を、屋久島電工と九州電力を含めた4事業者が分担して供給している。

68. 島内の電力は基本的に水力発電で賄われており、緊急時に限って火力発電が活用される。

水産資源に恵まれている島

69. 島民の多くは漁業、農業、林業、観光業などに携わっているが、島は黒潮の本流に乗ってやってくる魚の宝庫。

70. なかでもトビウオは豊富な漁獲量を誇り、刺身や唐揚げ、一夜干し、すりつぶしたつきあげ等で食される。

71. 漁獲後、鮮度を保つためにすぐに首を折って血抜きをしたサバは「首折れサバ」と呼ばれ人気が高い。

血抜きのために首が折られた「首折れサバ」(写真:たれぞう/PIXTA)

72. 刺身やサバすきの他、「鯖節」などにも加工され関東や関西などの高級料亭などで使用されている。

73. 島内には本坊酒造と三岳酒造という二つの酒造メーカーがあり、まろやかで口当たりのよい焼酎の里でもある。

74. 名水百選にも選ばれている屋久島の天然水は超軟水(硬度10)でミネラルウォーターとしても販売されている。

75. ヤクトロ(山芋)、つわぶき、蜜芋などの野菜のほか、ポンカン、タンカンなどの果物も名産品である。

76. 工芸品としては、現在では伐採が禁じられている貴重な屋久杉を使用した屋久杉工芸が有名だ。

77. 箸、お盆、携帯ストラップといった小物からテーブルまで、さまざまな形で販売されている。

78. 島では昔から旧暦の4月と8月に、それぞれの集落がご神体とする山に登る「岳参り」が行われてきた。

79. 塩・魚・米など海と里の恵みを山の神に捧げ、豊漁豊作、家内安全などを祈る山岳信仰である。

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