二条城が「半世紀ぶりの集客」に成功したワケ

これは「生産性向上」のモデルケースだ

二条城が約半世紀ぶりに過去最高の入城者数を達成できたのは、「徹底した整備」にあったといいます。写真は二条城の「唐門」(画像:宗 / PIXTA)
日本の「国宝」を守るために立ち上がったイギリス人がいる。元ゴールドマン・サックス金融調査室長のデービッド・アトキンソン氏だ。国宝・重要文化財の修復を手掛ける小西美術工藝社社長の傍ら、日本の伝統文化財をめぐる諸問題の解決に向けた提言を続けている。
その集大成となる書籍『国宝消滅――イギリス人アナリストが警告する「文化」と「経済」の危機』の中で、アトキンソン氏は日本の文化財が抱える問題についても鋭く迫っている。今回は、アトキンソン氏が提唱する「文化と経済、保存と活用の両立」を成功させた二条城の取り組みを紹介してもらう。

約50年ぶりに過去最高を達成した「二条城」

京都にある二条城(正式には元離宮二条城)は、ユネスコの世界遺産にも登録されている立派なお城です。二条城は京都市が所有、管理しています。

実は、この二条城、昨年2017(平成29)年度の入城者数が243万9079人と、過去最多を記録しました。前年度に比べると、53万4877人、28.1%増という大変大きな伸びです。2017年の訪日外国人客数は前年比19.3%増ですから、二条城の入城者数はインバウンドの伸び以上だったことがわかります。

これまで二条城の入城者数が最も多かったのは、今から50年近くも前の1970(昭和45)年。大阪で万国博覧会が開かれた年で、その時の入城者数は211万4754人でした。

この年をピークに二条城の入城者は漸減し、しばらく150万人前後で推移していたのですが、昨年度ついに過去最高だった年の記録を破り、大きな驚きをもたらしました。

大幅に増えた入城者数と呼応するように、 国庫補助や市債、基金繰入など特別なものを除く収入も飛躍的に伸びています。ほんの数年前、2012(平成24)年度の二条城の収入は9億200万円にとどまっていました。それが2014(平成26)年度に10億円を突破するやいなやグングンと伸び、2017(平成29)年度は14億4000万円に達すると見込まれています。この数字は、前年度比2億7000円、実に23.6%の増加です。

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