二条城が「半世紀ぶりの集客」に成功したワケ

これは「生産性向上」のモデルケースだ

来年2019(平成31)年4月1日から、現在の御殿を含む600円の入城料が、二の丸御殿を別料金(400円)とし、実質1000円になることが京都市議会で議決されていますので、二条城の収入は今後さらに増えることが見込まれています。

「二条城復活」は周到に準備された必然だった

このような二条城の入城者数および収入の大幅な増加は、自然に起きたことではありません。これらの成功は、実は、周到に練られた戦略にのっとり実行された改革の結果なのです。

この改革は国の観光戦略の一環でもあります。国内でも秀逸な文化財を観光施設として再整備するテストケースとして、門川大作・京都市長の旗振りで実施されたものです。まず、「改革を実行するために有能なリーダーが必要だ」ということで、二条城事務所長に文化担当局長の北村信幸氏が就任されました。北村氏はヘリテージマネジャーとして世界的にも超一流の人物だと、私は思っています。

北村氏は幅広い分野から有識者を招いて「二条城の価値を活かし未来を創造する会」を開催。ビジネスパーソンを含めて、さまざまな観点から、特に活用と保存の両立のあり方について徹底的に議論されました。激論の後、2016(平成28)年9月16日に最終報告書がまとめあげられました。

二条城の観光施設としての魅力アップのために、まず取り組まれたのが、御殿などの整備でした。具体的には、2016(平成28)年10月から翌年3月までの間に、二の丸御殿内85カ所、屋外307カ所に新しい多言語による解説案内板が設置されました。

また、パンフレットも大幅に刷新されました。それまでも日本語のパンフレットのほか、英語・中国語(簡体字)・韓国語(ハングル文字)の3つの外国語が一冊に書かれたものがありましたが、内容的には決して褒められたものではありませんでした。

現在、二条城の入城者の6割以上が外国人です。彼らはもちろん日本人に比べて、日本の歴史や文化に関して深い知識を持っているわけではありません。このことを鑑みると、外国語パンフレットの拡充は急務でした。

そこでまず取り組んだのが、言語別パンフレットの作成です。これまで、外国人向けのパンフレットは一種類で、3つの言語で説明がされていたため、一つの言語で説明されている内容が少なくなってしまっていました。これを改めることにしたのです。

それに加えて、内容を一新するべく、歴史的背景の説明が充実されました。たとえば、あまり日本の歴史に詳しくない外国人観光客向けに、そもそも「将軍」とは何者なのかといった初歩的な説明を加えました。そのほか大政奉還や後水尾天皇の行幸など、二条城とはどういう歴史をたどってきたお城なのか、わかりやすく理解できるようにしたのです。また、お城にある各部屋の説明も、使われ方や壁画の題材の意味などが、より多面的な視野から理解できるように変更されました。

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