あなたは「人形」の真実をどれだけ知ってますか 思わず人に話したくなる蘊蓄100章で綴る

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子どもから大人まで、多くの人に愛されている「人形」は、世界中でいろいろな役割を与えられてきました(写真:Stefan Malloch/iStock)  
モノ情報誌のパイオニア『モノ・マガジン』(ワールドフォトプレス社)と東洋経済オンラインのコラボ企画ちょいと一杯に役立つアレコレソレ「蘊蓄の箪笥」をお届けしよう。
蘊蓄の箪笥とはひとつのモノとコトのストーリーを100個の引き出しに斬った知識の宝庫モノ・マガジンで長年続く人気連載だ。今回のテーマは「世界の人形」。意外と知らない基本中の基本から、あまり知られていない逸話まであっという間に身に付く、これぞ究極の知的な暇つぶし引き出しを覗いたキミはすっかり教養人だ。
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古来の人形が果たした役割

01. 古来、人形が神や聖霊の形代、依り代として祭礼などの宗教行事に用いられた痕跡は世界各地に残る

02. 現存する最古の人形は紀元前2000年頃のエジプト王朝の墳墓から発見された木製の副葬品とされている

03. 2008年にドイツの洞窟で3万5000年前にマンモスの牙から彫られたビーナス像が発見されたというニュースも

04. 日本では、縄文時代の遺跡から土偶が出土列島各地で発掘された土偶は約1万5000体に及ぶ

05. 土偶は女性像が多く、子孫繁栄や豊穣を祈る地母神崇拝の意味をこめて作成されたと解釈されている

06. 現在、5体の土偶が国宝に指定されている

07. 古墳時代には埴輪が前方後円墳とともに全国に広がった古墳の聖域を区画する役割をもっているとされる

08. 古代中国の王朝でも王や皇帝の墓に俑(よう)と呼ばれる人形を埋葬する習慣があった

09. 中国では晴天祈願で紙の人形「掃晴娘」を飾る風習があり、これが日本に伝わりてるてる坊主となった説もある

10. 雛祭りは平安時代に始まる人形(紙や草の簡素な形代)に災いや穢れを移して水に流す流し雛の風習が起源

11. 雛人形の「雛」は小さい、愛らしいといった意味を表す

『モノ・マガジン』2月1日発売号(2020年2月16日号)。特集は「進化するロングセラー 世界を変えた傑作トイ」などです。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

12. 『源氏物語』には「ひいなの遊び」と呼ぶ宮中の幼い姫たちの人形遊びが記されている

13. 『源氏物語』には天児という簡素な木の人形も登場子どもに降りかかる災いを除くための身代わりとされる

14. 役目を終えたそれらの人形はお焚き上げをして供養をした。日本の人形供養はこの頃から受け継がれている

15. 日本では人形の総称として「ひとがた」と呼んでいた

16. 現在の「にんぎょう」という読み方は鎌倉時代以降一般に用いられるようになったのは江戸時代以降

17. 「doll」は主に女の子向けのソフトビニールやプラスチック製の人形を指す言葉

18. 英語でぬいぐるみは「stuffed animal」「soft toy」

19. マネキンはフランス語の「マヌカン(mannequin)」が語源。一説には、そのままの発音では「客を“招かん”」で縁起が悪いとしてマネキンと呼ぶようになったとか

20. ヨーロッパではローマ時代より祖先に見立てた人形を家の神として祀る風習が受け継がれた

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