日本の会社員に副業が必要な「本当の理由」 目先の稼ぎを得るというだけではない

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キャリアアップ目的の副業は、働き方改革でも注目されている領域です(写真:Fast&Slow / PIXTA)

出世をするために「副業」が必要になるとしたら?

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あなたは「副業」が出世するために必要な経験だとしたら、やってみたいですか? そして、やるなら、どんな副業を選びますか?

副業とは、本業以外で収入を得る、仕事などの行為を指します。例えば、会社員が休日に飲食店でアルバイトをすれば「副業している」ことになります。あるいは、ネットショップを開店して自分が制作した絵画を販売するのも副業です。マンションの部屋を貸して家賃収入を得たりするのも、広義には副業と言えます。別の言い方でサイドビジネス、デュアルワーク、兼業とも。

「ムーンライター(moon lighter)」と呼ばれることもあります。昼間に従事している本業が終了した後に、月明かりの下で働く姿をイメージしての呼び名。そこからは、副業はハードなものというイメージも伝わってきます。

例えば、取材したSさんはアパレル企業に勤務する販売員。週5日勤務で、シフトによりますが遅いと21時くらいまで店舗で接客をしています。それから、帰宅して休むかといえば、違います。居酒屋の人気メニューを紹介する記事を書いて、通販会社に入稿するのが日課。この記事を書くことで月に5~7万円を稼いでいるとのこと。その収入は趣味の釣りをする財源になっており、その副業は生活上でなくてはならないものになっているようです。ただ、副業をしていることを本業の職場でばれないように、趣味の話題は避けるなど、相当に気を配っています。もし、ばれたら、

「副業をするなんて、本業で手を抜いているに違いない」

と社内でマイナス評価につながる可能性があると感じているからです。

以前、飲食店でアルバイトしていることがばれた同僚は、社内で相当に厳しい言葉を投げかけられ、退職に追い込まれました。「副業をやっているから、シフトで自分勝手なことばかり要求するのだ」と店内で叱責されたといいます。本業を辞めたくない、ただ、副業をすることが道義的に許されない職場で働くのは難しい……と決断するしかなかったのです。

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