第三のブームに突入したといわれる人工知能
オリジナル小説を書いて文学賞で一次選考を通過したとか、医師がわからなかった病名を突き止めたとか、プロの棋士に勝ったとか――。そうした華々しい話題から、クレープやビールの新製品の開発まで、人工知能(AI)の活躍が話題になることが増えています。
コンピュータなどで人間と同様の知能を実現させようという試みがスタートしたのは1950年代。チェスをさせる程度の人工知能から始まり、1980年代に入ると人間の脳神経回路をまねするニューラルネットワークによるアルゴリズム(手順)が注目されました。
当時の技術では人間を超える性能を発揮するまでには至りませんでしたが、研究開発は進み、現在の人工知能は第三のブームに突入したといわれています。キーワードはディープ・ラーニング。人工知能が自ら学習を重ねて、高度に成長していくこと。この手法により人工知能は劇的に進化して、人間の能力を超える『シンギュラリティ』がやってきて、人間の仕事の相当数を人工知能が奪うと言われています。
では、それがいつ訪れるのか? 米国のコンピュータ研究者であるレイ・カーツワイル氏などは2045年あたりと予測しています。人工知能分野の研究は、もともと欧米が先行してきましたが、総務省情報通信政策研究所がまとめた結果によると、日本における人工知能の経済効果は2045年に121兆円、実質GDPは68兆円増加するとのこと。2020年には言語を理解。2030年に汎用執事ロボが広まり、16の産業分野においては、2020年~2030年にかけてあれもこれもと変革が急速に進むという見通しを出しています。
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