だとすれば、2045年に近づくにつれて、人工知能が人間の仕事を奪う面もあるでしょう。メディアでは日々、具体的に「奪われる仕事」についての予測が記事化されています。そこでは
・保険の審査担当者
・簿記/会計/監査
など、現在は専門性や市場価値が高いと評価されている仕事も紹介されていました。あるいはGoogle Carに代表されるような無人で走る自動運転車が世界中に行き渡り、人しか出来ないと思われてきた運転手という仕事もなくなる可能性があるといわれています。
自分の仕事が将来なくなるとしたら……2045年には定年、引退している40~50代の人はともかく、若い世代にとっては大きな不安になります。
ネットリサーチサービス「Fastask」による職業別の仕事と人工知能に関する実態調査によると、企画・マーケティング、営業、製造・作業、それぞれの職種で約3割の人が、人工知能に仕事のほとんどもしくは一部が置き換わると不安を感じているとのこと。ただ、40歳以上の管理職クラスになると「仕事がまったくなくなるわけでないから心配は不要」と人工知能の進化に楽観的な意見も耳にします。
でも、この発言は自分の働いている時代には大きな変化に巻き込まれないと考えての無責任なものではないでしょうか。これから30年以上働いて、2045年を現役バリバリの状態で遭遇する世代は、仕事選びで不安を口にします。例えば、取材した大学生は
「これから30年以上は仕事をすることになるので、人工知能に奪われる可能性が高い仕事は選びたくありません」
と答えてくれました。あるいは入社2年目で営業職をしているSさん。人工知能が営業職を駆逐する時代が来ると記事でみて、不安を感じ「別の職種でなくならない仕事が何か?」を転職エージェントで質問して探しているとのこと。では、どんな仕事を選べばいいのでしょうか?
大半が人工知能で代替可能になったとしても
人工知能が進化してシンギュラリティがやってきても、当然のことながら、すべての仕事がなくなるわけではありません。その1つが人対人の高度なサービス。ビジネス領域の大半が人工知能で代替可能になったとして、人を消費者ととらえたときに満足が得られないものがあります。
例えば、おもてなし系とよばれる仕事。高級ホテルのフロント、ブライダル業界のコンシェルジュ、あるいは高級レストランのサービスマンやソムリエ。仮に、予算数万円で奮発して予約したレストランがあったとします。そこでメニューをみながらワインを選ぶとき、経験豊富なソムリエにすすめてもらうのと、
「本日はどのようなメインをご注文されますか?ジビエですか、それともフレッシュなカキにしますか?」
と質問してくるようなロボットが、データ分析によって選んだワインを楽しむ時間。どちらに満足を感じますか?
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