今回訪れたのは、創刊から97年目を迎えた『婦人公論』編集部。夫婦関係、嫁姑問題、老後問題など、女性の悩みに深く切り込む内容と、目を引くユニークなタイトルが主婦層に支持され、毎号15万部以上を売り上げている。昨今の主婦たちは、日々、何を考え、何に悩むのか。彼女たちの「買いたい」を引き出すためには、何が必要なのか。三木哲男編集長に聞いた。
――一見、お上品な婦人向け雑誌に見える『婦人公論』ですが、実はスクープ記事がたくさんあるんですね。板尾創路さんが亡くなったお子さんについて語ったり、元J-WALKの中村耕一さんを麻薬中毒から立ち直らせるまでを内縁の奥様が語ったり……。
そうなんですよ。最近は、待機児童の多い杉並区の区議と、待機児童を持って困っている住民代表の方の「炎上対談」というのもやりましたね。
『婦人公論』は販売部数が命の雑誌なんです。世の中の女性ファッション誌は広告が売り上げのかなりを占めていますが、うちは部数が中心ですから(笑)。
ちなみに、『婦人公論』はおそらく創刊以来、「この年齢層に絞ろう」という発想がありません。テーマによって、年齢層はかなり変化します。ただ、実際に読んでくださっている読者は、45~55歳が60%を超えているので、その層を念頭に置いています。
――『婦人公論』で扱うテーマは、どんな基準で選んでいますか。
基本的には、女性が人生で直面する壁や、女性の中で“のたうつもの”ですね。それに寄り添うような紙面作りをしたいと考えています。
1916年、創刊時のテーマは女性解放でした。筆者は平塚らいちょうとか、市川房枝とか。男性では、川端康成、志賀直哉、その当時の現職総理の大隈重信らが、これからの女性のあり方について書いていました。女性に向けた活字媒体が、ほとんどなかった時代ですね。
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