『婦人公論』に見る、変わる妻たちの関心事

『婦人公論』三木哲男編集長に聞く

――解決策はあるのでしょうか。親は老後を奪われないためにどうすればいいのでしょう。

2つの考え方があります。「どんな形でもいいから、とにかく家から追い出せ」、もしくは「死ぬまで面倒見る覚悟で、子どもに向き合え」というものです。特効薬はないですね。子どもの自立について悩む親は、日本中にたくさんいます。

パートに出ても、おカネは使わない

――これだけ将来に対する不安が大きいと、財布のひもも固くなりそうですね。

消費については、二局化していると思います。使う人は、相変わらずブランドものにおカネをかけるけれど、極力出費を抑えようという人も増えているのではないでしょうか。いずれにせよ、将来への不安が大きいので、おカネを使う楽しみに限度は設けているでしょう。

――読者の経済状況について、変化は感じますか?

確実に落ちていると思います。統計を見ても、東京都の世帯収入は10年間で100万円近く下がっているので、当然でしょう。『婦人公論』を買って読んでいる読者層は、ボトムでも世帯収入500万円くらいと思いますが、自身もパートに出ているという主婦がほとんどです。

――「自分も働いているのだから」という理由で、女性関連の消費が活発になるということはないのでしょうか。

このデフレ下では、難しいと思います。パートで働いた分は、やっぱり家計に入れています。不倫をしている女性も、基本的に費用は向こう持ち(笑)。つまり、「私」への興味がいくら湧いても、「私」への投資が勢いづくところまで行っていないんです。もし自分への投資が活発になっているなら、40~50代向けの女性ファッション誌がもっと元気なはずですよ。

――4月にアラフォーの独身女性をターゲットにした『DRESS』という雑誌が創刊になりましたね。

この雑誌は、40代以上といっても、「独身女性」に限定した新しいマーケットを掘り起こそうとしていますよね。独身ならおカネもあるし、親と暮らしていたらなおさら余裕があります。

1990年代に「パラサイトシングル」という言葉がはやりましたが、当時の彼女たちの可処分所得は、統計上、月当たり8万円でした。当時の30~40代サラリーマンのお小遣いは、せいぜい3万~4万円。そう考えると、このセグメントのバイイングパワーは、今も上がっているはずです。

でも、そんなパワーが、今ひとつ消費につながっていない気がします。

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