『婦人公論』に見る、変わる妻たちの関心事

『婦人公論』三木哲男編集長に聞く

これが1990年代にまで進んでくると、仕事や夫婦関係、子育てなど、女性の関心事も多様になってきます。さらに、ここ10年くらいで、また興味深い読者の変化が見られるようになりました。

妻たちの関心は、「夫」「家族」から「私」へ

販売部数が伸びた号を見ると、一目瞭然です(左下図を参照)。1998年から2004年にかけて特に売れた号の巻頭特集は、98年6月「もう一度、夫を見直してみよう」、98年11月「子どものいる喜びと悲しみ」、99年7月「嫁と姑はわかりあえるか」、05年3月「家族と心が通じていますか」など。

夫、子ども、姑など、家族と自分の関係性について問うテーマが売れ筋だったことがわかります。

ところが、これらはここ5年間で軒並み売れなくなりました。代わって売れているのは、08年5月「捨てて始まる、新しい私」、08年10月「離婚しないでいる妻たちの本音」、09年5月「40代から備えるひとりの老後」、11年2月「妻たちの婚外恋愛白書」、13年2月「夫を捨てたい妻たちの本音」……。

――つまり、「家族」から「私」へのシフト、ということでしょうか。

そうです。かつては、主婦である読者は自身が人生の主人公ではなく、ほかの人との関係性の中で幸せを求めていました。それがここ5年で打って変わって、興味が思い切り自分自身に向いたんです。

ちなみに、過去5年間で最も失敗した号は、08年11月「いまから夫をいい男に変える」でした。これは、出した瞬間に「なんでこんなつまらないテーマなの?」と、ひどい言われようでした。とにかくタイトルに「夫」とつけるとダメです。「夫を捨てる」なら売れるんですが(笑)。

後から理論立てるのは簡単ですが、実際はどこに売れ筋があるのかを探すのに、ものすごく時間がかかりましたね(笑)。

――これだけ興味が「私」に移った背景には、どんな事情があるのでしょう。

考えてみると、その傾向は、以前からありました。40代後半になると、子どもも大学生、高校生くらいになって、子育ては一段落します。夫が管理職に就けば、忙しくて家に帰ってこない。主婦にとっては、ここからが最も自由な10年間になるんですね。

ではなぜ、その傾向が近年強まってきたのか。考えられる理由のひとつは、今の女性が一昔前の40~50代に比べ、見た目も心持ちも若くなっているということです。

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