「女子会」「女子旅」「アラサー女子」――。近年、“女子”を冠した言葉が増殖している。その背景に見えるのは、より活動的になる女性たち、そして女性の消費パワー拡大だ。男性の給与所得の減少などが進み、すでに30歳未満の単身者では可処分所得、消費支出ともに、女性が男性を上回る(勤労者単身世帯、総務省調べ)。女性消費の開拓こそが、日本経済復活のカギ、と言ってもいいかもしれない。
だが、一口に女性といっても、その生活スタイルや考え方はさまざま。リアルな女性の生態をとらえきれず、巨大市場の開拓に苦戦する企業は多い。
そこでこの連載では、出版不況下でもヒットを飛ばす有力女性誌の編集長に、雑誌作りから見えた女性の心理や消費動向について聞く。女性の「買いたい」スイッチは、いったいどこにあるのか?

連載第1回目に訪れたのは、エムオン・エンタテインメントの『mamagirl』(ママガール)編集部。アラサーのママ世代をターゲットとするこの雑誌は、昨年8月に創刊。創刊号はネット書店を中心に約12万部が完売、大ヒットを記録した。にわかに勃興する「ママガール」とは、どんな人種で、どんな消費志向を持つのか。馬場麻子編集長に聞いた。
――「ママになる」は今、ある種のブームなのでしょうか。
「妊活」が注目されるのと同時並行で、若い女性の意識が高まってきていると思います。高齢になればなるほど出産に伴うリスクが増すなんて、学校教育では教わっていません。それが最近になって一般的に知られ始めて、「若いうちにママになりたい!」という女性が増えているんだと思います。
かつてのように結婚・出産というものが当たり前ではなくなり、子どもを持てるということの意味が大きくなっている。出産は、女性として、ぜひとも”勝ち得たい”経験となっている感がありますね。そういう意識が、「ママ」というブランドをどんどん高めているんだと思います。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
ログインはこちら