「ドクターX」、テレ朝・大人気ドラマの裏側 視聴率2冠の牽引役、内山聖子プロデューサーに聞く
初回視聴率18%超に実は驚いた
――12年10~12月放送のドラマ「ドクターX」は、平均視聴率19.1%。民放の連続ドラマでは年間トップの高視聴率で、テレビ朝日の年度視聴率2冠獲得を牽引しました。
「ドクターX」と同様に米倉涼子さん主演のドラマは、「黒革の手帖」で平均視聴率15%台、「けものみち」で同14%台など、高視聴率を取ってきました。ですが、19%台は異例の数字ですね。前評判は高くなかったので、いつもの調子でのびのびマイペースにやっていこうというスタンスで取り組んだのですが、初回視聴率で18%を超えたので、実は私自身びっくりしました。
視聴率が悪いときは細かく分析するので、よくなかった理由をいくつも挙げることができるのですが、視聴率がいい理由を挙げるのは、本当に難しいものです。米倉涼子さんはいつもの米倉涼子さんで、医療ドラマも数多く存在しています。どのドラマも、豪華な出演者の方々がいい仕事をして、脚本家が勢いのいいセリフを書いて、宣伝部を含め、テレビ局全体のバックアップを受けてきました。
ただ今回、「ドクターX」で米倉さんが演じた外科医・大門未知子の“痛快なキャラクター”は、私たちにとって新しい挑戦でした。この痛快さに視聴者が引き付けられたのかもしれませんね。
視聴率は、私たちが見て欲しいと思うものと、お客様(視聴者)が見たいと思っているものが重なる度合いの大きさを表しているんだと思います。テレビの前に座っている、私からは顔が見えない視聴者の方々が、何を望んでいるのかを一所懸命に探るということが、私にとっては視聴率を意識してドラマを作るということ。
プロデューサーとして中堅となった立場上、この視聴率を意識せざるをえなくなってから、コンテンツの力が強くなった気がします。「ドクターX」は、視聴者と作り手の感覚が合致する度合いが今まで以上に大きかったということでしょう。
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