――長峯監督はもともと『ONE PIECE』がものすごく好きだったと伺っています。
実は東映アニメーション(以下東映アニメ)の仕事場内では、『プリキュア』のスタッフルームと『ONE PIECE』のスタッフルームが隣同士。だから『ONE PIECE』の作業状況はよく見ていました。昔から『ドラゴンボール』や『聖闘士星矢』などのスタッフに関わっていたこともあって、いわゆる「少年ジャンプ作品」は大好きでした。
『ONE PIECE』もマンガをずっと読んでいました。だから一通り内容を知っていますし、東映アニメでずっと作品を手掛けているので、もしかしたら僕が『ONE PIECE』をやることもあるかもしれないとは思っていました。だからもし『ONE PIECE』の映画をやるなら、「こんなネタはどうかな」といったことは、いつも考えていました。
突然『ONE PIECE』の監督の話が来た!
ネタはつねにないと駄目。一度企画が動き出すと、もう一瞬で進んでしまう。そこから考えるわけにいきません。今回も突然話がきた。「(次の企画は)ONE PIECEなんです」「えっ?」といった感じで。その時に何もない状態だと駄目ですから、常々、何かやるときには、自分でやるならこうしたい、というようなネタをいつも自分で書き溜めています。
――監督にとって『ONE PIECE』の面白さとは?
とにかくキャラクターの世界の広がり。それぞれのキャラクターのバックボーンが透けて見える感じがいいですね。普通のマンガだと、そういうバックボーンが見えてくるのはせいぜい5人か6人ぐらい。でも『ONE PIECE』の場合は人気がないキャラクターでもちゃんとバックボーンがある。さらに手を替え品を替え、いろんなネタが出てくる。そこが面白い。
小学校の教室で男の子同士が『ONE PIECE』について話し合う、といったように作品を通じたコミュニケーションがとられているのが最大の魅力。もはや『ONE PIECE』は共通言語として成り立っているものだと思います。
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