3D映画システムのリーディングカンパニーRealD社は、2005年に劇場公開された『チキン・リトル』で、現在のデジタル3Dシネマテクノロジーを初めて採用。現在は世界68カ国で500を超える映画興行会社とパートナーシップを結び、3D世界シェアでは55%を占める。
また、RealDシステムは世界のトップクリエーターからの信頼も厚い。そもそも『アバター』で映像革命を巻き起こし、『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』では製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロン監督は同社の社外取締役に名前を連ねている。さらに、ピーター・ジャクソン監督の最新作『ホビット』シリーズや、マーティン・スコセッシ監督の『ヒューゴの不思議な発明』など、数多くの作品で技術協力を行っている。
3D業界の未来を占う上で重要な位置にあるRealD社のワールドワイド・シネマ部門代表ジョー・ペイショート氏が、第25回東京国際映画祭のオープニング特別上映作品『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』の上映に合わせて来日。ペイショート氏に3D市場の未来について聞いた。
3Dシネマは日本では廃れていくのか
――『アバター』や『アリス・イン・ワンダーランド』など、3D作品が興収100億円を超えた数年前に比べ、現在の日本では3Dブームがやや落ち着いてきたようにも見えます。
われわれは今後、輝かしい未来が待っていると考えています。なぜなら、ハリウッド映画では、今後50本ほどの3D映画が撮影されると発表されているからです。テレビなどの3D技術も進化しています。これからどんどんと3Dコンテンツが出てくると思います。
ハリウッドでは、マーティン・スコセッシ、ピーター・ジャクソン、バズ・ラーマン、リドリー・スコット、ジェームズ・キャメロン、アン・リ―、といったトップクリエーターたちが皆、3Dで映画を作っています。それに比べて日本の映画製作者たちが、3Dを駆使した作品を多く作っていないため、3Dブームが落ち着いているという側面があるのでしょう。
3Dを導入することで映画の楽しみが深まります。ただし、どれほどいい技術があったとしても、映画館で観たいと思わせる映画を作られなければお客は劇場に足を運ばない。それは2Dでも3Dでも変わることはありません。
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