知られざる3Dメガネ市場の激闘 3Dメガネの巨人・RealDのキーマンに聞く

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――RealDの特徴を教えてください。

Joseph Peixoto(ジョセフ・ペイショート)
RealD社ワールドワイド・シネマ部門代表。パラマウント/バイアコムが所有するカナダ劇場チェーン社長、ユナイテッド・シネマ・インターナショナルの社長兼最高経営責任者(CEO)などを経て、2005年にRealD社に入社。映画産業のデジタル化に多大なる功績を果たした人物として知られる。

われわれは、メガネだけでなく全体の3Dシステムをセールスしている。今、存在している3Dシステムの中では、われわれのシステムが一番明るく観ることができるシステムだと言えます。通常、映写機から映像を出す時は、偏光板を通して不要な偏光を吸収するわけですが、われわれのシステムの特徴は、そこで反射した光を再利用しているところです。偏光で使われなかった光をミラー(反射偏光板)で反射させて、それらの光を両方同時にスクリーンに当てることで、競合システムの2倍の明るさを実現しています。

また、3Dメガネの種類にはパッシブ方式とアクティブ方式がありますが、わが社の3Dメガネはパッシブ方式を採用しています。(ライバルの3Dメガネシステムメーカー)XpanD社はアクティブ方式を採用しています。

3Dメガネ市場の熾烈な規格争い

アクティブ方式というのは、メガネの中に高速シャッターがあって、片目が見えないように電子的にシャッターを下ろして覆うメガネのこと。そのシャッターで右目、左目を交互に覆うことで、我々の頭の中で視差を生み出し、映像を立体的に感じるようになるのです。

一方、RealD社が用いているパッシブ方式のメガネは、電源は使わずに偏光フィルターを通じて右目用の映像と、左目用の映像という2種類の映像を感知し、立体を感じることが出来るようになっています。

――パッシブ方式を採用する利点は?

まずはリサイクルが可能であるということ。軽量化できること。そして、電池が入っていないため、電池切れがない。さらにメガネの上につけられ、その取り外しも簡単であるということ。XpanDのメガネではそうはいきません。

さらに衛生面においても、毎回抗菌袋に入れられた新しいメガネが提供されるので、とても清潔です。他の人が使ったメガネを使わなくていいのです。清潔感は、日本のお客さまが特に重要視する点ではないかと思っています。

そして、お子さん用のメガネから、イベントに合わせたメガネまで、お客様のニーズに合わせたメガネを、色々な注文に合わせて作ることが出来ます。『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』では、オリジナルデザインの限定3Dメガネを制作し、それを配布しました。

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