だからファッション誌も、ママになる前は皆そういうテイストごとに別々のものを買っていたんです。ママになったからといって「これ1冊で大丈夫ね」とくくられて満足できる人たちではありません。
――誰かが言う流行を鵜呑みにするのではなく、自分の手で流行を作ってきた自負みたいなものがあるのでしょうね。
もちろんママである以上、子育てをきちんとするのは大前提。でもそのうえで、上の世代のようにおしゃれをあきらめる必要はない、と考える傾向があります。
ママ同士で「あの店は、子連れでお茶できるよ」みたいな情報を交換したり、お互い誘い合って行ってみたりしながら、自分と子どもの「楽しい」が両立できることを、積極的に探しているようです。
――そういうコギャル世代ママの生体を踏まえ、『mamagirl』の紙面はどのように構成していますか。
おしゃれママ雑誌という位置づけなので、メインで扱うのはファッションです。加えて「子どもグッズ大賞」のような、ママならではの特集も入れ込んでいて、タレントや読者モデルの私物を紹介するページを設けています。おもちゃひとつ取っても、輸入品とかおしゃれなものが多いですね。
上から目線の「大人雑誌」はイヤ
おそらく、この世代のママが子供向けの量販店に行くと、「なんでこんな普通のものしかないの?」と思うのでしょう。それで、ネットで調べたり、代官山のセレクトショップに行ったりして、みんな自分らしいものを積極的に開拓しています。
彼女たちは、「ママになる=所帯じみる」というのをすごく嫌っている。所帯じみなくたって子どもを愛せるし、子育ても楽しめるはずですから。
そもそも、「今の大人向け雑誌そのものが、つまらない」という気持ちもあるかもしれません。『popteen』もそうですが、読者モデルをはじめ、自分たちがどんどんネタを提供して、実際に雑誌に出ていたんです。
高校時代にはそれが当たり前だった世代なので、大人向け雑誌に対しては「なんで、こんな上から目線で教えられなきゃいけないの?」という感覚があるでしょう。もちろん、そういう教えてもらえるような雑誌がいいと思う読者もいます。でもコギャル世代には、そこに「参加したい」と思う人が多いので、それに応えられればと思っています。
『mamagirl』創刊に当たっては読者モデルも募りましたが、300~400の応募がありました。創刊前の雑誌にこれだけ応募があるのは、極めて珍しいことです。
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